8月に入って冴えない展開が続くなか、3連休明け8月11日の東京市場は、日経平均が大幅高して始まる展開となりました。前回発生した窓の状況もどうなったのか、気になるところです。

それではいつものようにチャートを見ながら確認していきたいと思います。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成 ※青い丸=埋まった窓、赤い丸=埋まっていない窓

前回コラムでは、8月4日時点までの日足チャートで確認しましたが、その時点では、7月28日と29日、また同月30日と31日、さらに8月3日と4日に窓が発生している状態となっていました。

そうしたなか、前回、「仮に上方向にある窓を埋めるとした場合、25日移動平均線上を維持することが必要になる反面、25日移動平均線上を維持できずに終値で割り込んだ場合、下方向にある窓を埋めることが考えられそうです」と、指摘しました。実際その通り、25日移動平均線上を維持できずに割り込むと、7月30日と31日に加え、8月3日と4日のあいだにあけた窓を埋める水準まで下落しているのが分かります。
 

発生した窓を埋めると同時に新たな窓が発生

一方、連休明けの8月11日には、窓をあけて反発して始まると同時に、5日移動平均線と25日移動平均線を一気に上回り、今度は7月28日と29日のあいだにあけた窓を埋める結果となっています。

こうした状況から、今回埋められた窓はコモンギャップ(=普通の窓)だったと考えられると同時に、8月11日に新たに発生した窓もコモンギャップと考えられるのではないでしょうか。

そのため、日経平均株価が25日移動平均線を挟んで上下に変動するようですと、新たに発生した窓を再び埋めることも視野に入るのではないかと思われます。

もち合いの形が変化

ただ、今回の上昇でもち合いの形に少し変化が現れたのをみなさん気付いているでしょうか。チャート上に線を引いておりますが、8月11日は25日移動平均線を上回って終えたことから、上昇トレンド発生への期待が高まるなか、6月8日と7月15日の終値と終値を結んだ抵抗線に接近しているのです。

こうした状況から、三角もち合いの上限に接近していると考えられるのではないかと思われます。そこで、この上限の抵抗線を終値で上回って維持するのかが注目されます。

仮に上回って維持するようですと、もち合いを上放れて23,000円台に乗せることも視野に入るのではないかと思われます。その反面、上回っても維持できずに押し返されたり、上回ることができずに反落したりするようですと、再びもち合いが継続することになると考えられます。そのため、高値掴みにならないよう注意が必要です。

上放れることができるのか、押し返されるのか

では、上放れることができるかどうかのカギを握る、判断材料は何になるのでしょうか。それは、5日移動平均線の向きと株価の位置関係です。

仮に上向きに変化した5日移動平均線上を維持するようですと、抵抗線を終値で突破することが考えられます。その反面、5日移動平均線上を維持できずに押し返されたり、25日移動平均線も下回ったりするようですと、8月11日にあけた窓を埋めることが考えられます。ですので、買いポジションを持っている投資家は、損失の発生や拡大に注意したいところです。