今週から名実ともに8月相場入りとなりました。今回も前回コラムで指摘したことを振り返りながら解説していきたいと思います。
前回コラムの指摘事項の振り返り
前回コラムでは「下げ止まりの目途となっていた「サポートラインを維持できるか」」が注目ポイントとしましたが、結果は…。
チャートを見ると分かるように、6月15日の安値と6月29日の安値を結んだサポートラインを下回ったあと、7月末には200日移動平均線を下回るところまで下落する場面がありました。
ただその後は、6月15日の安値がサポートになると同時に下方向に放たれることなく、8月4日には、25日移動平均線上を回復しているのが分かります。
こうして見ますと、日経平均は、6月15日の安値と6月9日の高値の値幅のなかのもち合いを継続していると考えられそうです。
仮にもち合いが継続しているとした場合、6月の高値と安値のどちらかを突破するには、もう少し株価を動かすインパクトの大きな材料が必要になるのではないかと思われます。
またそうした材料が発生した場合、株価にとってプラスかマイナスかは分かりませんが、6月の高値と安値のどちらかをブレイクした場合、もち合いの時間に比例して株価の上昇や下落のスピードが加速することが考えられますので、発生したトレンドと逆のポジションを持っている投資家は、損失の発生や拡大に注意が必要になるのではないかと思われます。
新たに発生した3つの窓
そうしたなか、先週も新たに窓が3つも発生しました。1つ目は7月28日と29日、2つ目は7月30日と31日、3つ目は8月3日と4日のあいだにあけた窓です。
それぞれ、過去の値幅の範囲内で発生していることから、窓の種類としてはコモンギャップ(普通の窓)ではないかと思われます。しかし、8月4日の終値の上と下に窓があるため、どちらの窓を埋めるのか、あるいは両方の窓を埋めるのかが注目されます。
上下どちらの窓を埋めるのか25日移動平均線に注目
仮に上方向にある窓を埋めるとした場合、25日移動平均線上を維持することが必要になる反面、25日移動平均線上を維持できずに終値で割り込んだ場合、下方向にある窓を埋めることが考えられそうです。
また、25日移動平均線を挟んで上下の値動きになることも考えられますが、その後のトレンド発生の判断材料になりそうなのが25日移動平均線の向きです。
仮に上方向にある窓を埋めると同時に25日移動平均線が上向きに変化するようですと、7月15日の高値に接近したり、上回ったりすることが視野に入ります。その反面、下方向にある窓を埋めると同時に25日移動平均線が下向きに変化するようですと、6月15日の安値に接近したり、下回ったりすることが考えられます。
一方で、株価が上下どちらの窓を埋めても、25日移動平均線の向きが明確なトレンドが発生しないようですと、25日移動平均線を挟んだ上下の値動きが継続することが予想されます。
トレンド発生の見極めが難しい状況が続いていますが、売買タイミングに注意して、損失の発生や拡大につながらないよう注意したいところです。