新型コロナ関連のニュースが止みません。英語の記事でも、誰々が陽性反応が出た、という類いの記事は毎日流れていますが、これは通常"tested positive"と書きます。感染したという英語は"infected"ですが、そう書く記事はあまり見たことがありません。ふと思い立ち、Googleで"tested positive"を検索したら、結果は約17億(1700MM)件あると出ました。次に"infected"を検索したら、結果は1.72億(172MM)件でした。

日本語ではどうでしょう?陽性者を検索すると0.45億(45MM)件、感染者は7.19億(719MM)件でした。要は日本語的に表すと、英語ニュースでは陽性者(或いは陽性反応者)という表記が感染者という表記より圧倒的に多いと思われ、逆に日本語ニュースでは感染者という表現が陽性者(陽性反応者)という表現より圧倒的に多いのです。念のため陽性反応と検索しても、結果は26.8MM件でした。なんでこうなるのでしょう?

アメリカ(だけが英語ではありませんが)では陽性・感染者数がとても多いので、社会不安を煽らないために感染と云わずに陽性反応と書く?日本は陽性・感染者が比較的少ないので、慢心させないために敢えて感染という表現を使う?PCR検査は、検体に標本と同じ遺伝子配列があるかを調べる検査ですから、ウイルスに曝されても、自然免疫等が勝ってウイルスの細胞侵入を防いでも、ウイルスの死骸のようなものの遺伝子を陽性と認識します。自然免疫等が負けて、細胞にウイルスが侵入した状態が感染です。

更に云うと、"tested positive"との表現はとても正確で、検査をしたら陽性結果が出た、という事実を表しています。偽陽性も含まれ得るという語感がそこにはあるように思われます。一方感染者ではなく陽性者と書いても、そこには偽陽性者は含まれないような語感がします。検査をする→偽陽性を含む陽性反応者がいる(もちろん偽陰性の陰性反応者もいる筈なのですが)→陽性者の中に感染者がいる→感染者の中に症状の出る患者がいる→患者の中に重症患者になる者がいる。そのような構図になっていると私は理解しているのですが、コトバのイメージは違ったりします。

日本語は、いい意味でも悪い意味でも、曖昧な、或いは玉虫色の、コトバです。或いは日本語の使い手は、それを色々な意味で上手く使うことが出来ます。自分自身で気を付けて理解していきたいと思います。