東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株高を受けて続伸となりました。日経平均は71円高の22,789円で寄り付くと直後に上げ幅を三桁に広げ10時に174円高の22,892円まで上昇し139円高の22,856円で前場を終えました。
後場は144円高でスタートするとじりじりと上げ幅を広げる展開となり引け間際に208円高の22,925円まで上昇し本日の高値を付けました。引けにかけてやや上げ幅を縮め22,900円を割り込んだ日経平均ですが結局166円高の22,884円と高値圏で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って続伸となっています。
2.個別銘柄等
昨日の米国市場で主要な半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%高となったことで日本市場でも半導体関連株が買われました。なかでもSUMCO(3436)が4.2%高となったほか、SCREENホールディングス(7735)も4.1%高となりました。
また、昨日の米国市場で取引終了後に発表となったIBM(IBM)の決算でクラウド関連事業が好調だったことを受けて日本市場でもクラウド関連銘柄が物色されました。レンタルサーバー大手のGMOクラウド(3788)が13.0%高となり、クラウド導入支援のテラスカイ(3915)も8.6%高となりました。さらに塩野義製薬(4507)が11月にも臨床試験に入る新型コロナウイルスワクチンについて2021年末までの生産能力をこれまでの計画の約3倍の年3000万人分以上に引き上げると伝わったことで2.8%高となりました。
一方で住友商事(8053)が第1四半期決算でアフリカ・マダガスカル共和国にて推進中のニッケル鉱山開発に関して新型コロナウイルスの感染が広がって操業停止が長引いたうえ、ニッケル相場も下落したことで約550億円の減損損失を計上する見込みと発表したことで2.3%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均はナスダック総合株価指数が史上最高値を更新するなど米国株高を受けて166円高となりました。節目の23,000円まで110円余りに迫っていますが、明日も上昇となった場合には4連休を控えて動きにくいなかで23,000円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
なお、今晩の米国ではコカ・コーラ(KO)やテキサス・インスツルメンツ(TXN)などが決算を発表する予定です。また、日本ではジャフコ(8595)やオービック(4684)、ネットワンシステムズ(7518)などが明日、決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)