東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は反落となりました。日経平均は昨日に大幅高となった反動で37円安の22,907円で寄り付くと下げ幅を三桁に広げることなくしばらく下げ渋りましたが、11時ごろから下げ幅を広げると前場を113円安の22,831円で終えました。後場は東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多になりそうだと伝わったことでさらに下げ幅を広げ134円安でスタートすると14時30分過ぎに206円安の22,739円まで下落し本日の安値を付けました。その後も安値圏で推移した日経平均は結局175円安の22,770円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って反落となっています。
2.個別銘柄等
ソニー(6758)が一時2.4%高まで上昇し年初来高値を昨日に続いて更新しました。年末に発売予定の次世代ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の生産計画を上積みするため、2020年内の部品購買を900万台前後とする方針を複数のサプライヤーに伝えたと報じられたことが好感されました。上げ幅を縮め引けは0.6%高となっています。日本取引所グループ(8697)も6.5%高となり上場来高値を更新しました。ソニーによる完全子会社化で上場廃止になるソニーフィナンシャルホールディングス(8729)に代わって日経平均の採用銘柄に決まったことで買いを集めました。
また、昨日の米国市場で新型コロナウイルスのワクチンの開発進展への期待からデルタ航空(DAL)やアメリカン航空グループ(AAL)、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)などの空運株が大幅高となるなか日本市場でも日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が買われました。日本航空が3.5%高、ANAホールディングスが5.2%高となっています。さらに古河電気工業(5801)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて4.9%高となっています。
一方で昨日の取引終了後に上期決算を発表した不二越(6474)が2020年11月期の業績予想を下方修正し営業利益を前期比6.4%減の125億円から73.8%減の35億円へと大きく引き下げたことで5.1%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は反落となりました。朝方は下げ渋っていましたが、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が280人台と過去最多になりそうだと伝わり後場に下げ幅を広げました。大幅高となった昨日は25日移動平均線を挟んで揉み合ってきた相場を放れて節目の23,000円を回復し6月に付けた戻り高値(23,178円)を試すような展開への期待も高まりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大が続くなかで一気に買い上がるのは難しいようです。
なお、本日発表された中国の4-6月期のGDPは前年同期比3.2%増と1-3月期の6.8%減からプラスに転じ市場予想も上回りましたが、株式市場への影響は限定的でした。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)