東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株高や新型コロナウイルスワクチンへの期待から大幅反発となりました。日経平均は230円高の22,817円で寄り付くと上げ幅を広げ10時20分前に361円高の22,948円まで上昇し前場を325円高の22,912円で終えました。後場は上げ幅を縮め271円高の22,858円でスタートしましたが、徐々に持ち直すと14時40分前に378円高の22,965円まで上昇し本日の高値を付けました。その後も22,900円を上回って推移した日経平均は結局358円高の22,945円と高値圏で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って反発となっています。
2.個別銘柄等
新型コロナウイルスワクチンの開発進展を受けて経済が正常化に向かうとの期待が高まるなか出遅れの目立つ景気敏感株に大きく上げるものがみられました。自動車株では日産自動車(7201)が7.3%高となったほか、マツダ(7261)が4.9%高、ホンダ(7267)が3.2%高、スズキ(7269)が4.1%高となっています。鉄鋼株でも日本製鉄(5401)が3.5%高、JFEホールディングス(5411)が5.0%高となりました。また、明日に中国の4-6月期のGDP発表を控え中国関連株に上昇するものが目立ちました。ファナック(6954)が4.2%高、SMC(6273)が6.5%高、ダイキン工業(6367)が2.9%高、日立建機(6305)が4.5%高となり、ファナックとSMC、ダイキン工業は年初来高値を更新しています。
さらに昨日の取引終了後に第1四半期の決算を発表したスーパーのイズミ(8273)が20.9%上昇しストップ高となりました。未定としていた2021年2月期の業績予想と配当予想を発表し、営業利益の見通しを前年同期比4.1%増の332億円としたうえ、配当も前期と同額の1株当たり80円を維持するとしたことが好感されました。一方でGunosy(6047)は昨日の取引終了後に大幅減益となった2020年5月期の決算を発表したことで9.9%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は大幅反発となりました。昨日の米国市場が大幅高となったことに加えて、新型コロナウイルスのワクチン開発を進めている米バイオ製薬のモデルナ(MRNA)が初期の治験で投与した参加者全員に免疫反応が確認できたと発表したことで時間外の米株価指数先物が大きく上昇したことから358円高となりました。大幅高となったことで先月下旬以降の25日移動平均線を挟んで揉み合ってきた相場にも変化が期待できそうで、節目の23,000円を回復して6月に付けた戻り高値(23,178円)を試すような展開への期待も高まりそうです。
なお、昼前に日銀が金融政策決定会合の結果を発表しましたが、金融政策が現状維持だったこともあってマーケットへの影響は限定的でした。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)