【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25,706.09  ▼361.19 (7/9)
NASDAQ: 10,547.75  △55.25 (7/9)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は南西部の州を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることが嫌気され反落となりましたが、主力ハイテク株への買いが続いたことでナスダック総合株価指数は続伸となり史上最高値を更新しました。ダウ平均は27ドル高と小幅に上昇してスタートしましたが直ぐに下落に転じると大きく下げ幅を広げる展開となり昼前に543ドル安まで売られました。その後持ち直したダウ平均ですが軟調に推移すると結局361ドル安の25,706ドルで取引を終えています。

また、S&P500株価指数も17ポイント安の3,152ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は55ポイント高の10,547ポイントとなり前日に続いて史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比9万9000件減の131万4000件となり市場予想を上回る改善となりました。また、5月の米卸売在庫は前月比1.2%減少し市場予想と一致しました。米卸売売上高は前月比5.4%増となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げました。そのなかでもエネルギーが5%近く下落したほか、金融と資本財・サービスも2%以上下げました。一方で一般消費財・サービスと情報技術の2業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が下げました。そのなかでも決算で最終損益が赤字に転落したドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が8%近く下落したほか、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)とシェブロン(CVX)、エクソンモービル(XOM)も4%以上下げました。ボーイング(BA)も4%近く下落しています。一方でウォルマート(WMT)とシスコシステムズ(CSCO)、マイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)、ウォルト・ディズニー(DIS)が上昇し、マイクロソフトとアップルは上場来高値を更新しています。

また、ダウ平均構成銘柄以外ではアマゾン・ドット・コム(AMZN)が3%以上上昇して上場来高値を更新し、コストコ・ホールセール(COST)も6月の既存店売上高が大きく伸びたことで3%近く上げ上場来高値を付けています。さらに半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が他の半導体株に比べて出遅れ感があるとの指摘を受けて7%余り上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%低い0.61%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が大幅安となったことから下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋り引けで25日移動平均線(昨日時点で22,475円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)