東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株高を受けて反発しました。日経平均は3円高の22,442円とほぼ横ばいで寄り付くと寄り付き直後に4円安の22,434円とわずかにマイナスとなる場面もありましたが、下げ渋ると上げ幅を広げ9時40分過ぎに107円高の22,545円まで上昇しました。上げ幅を縮め47円高で前場を終えた日経平均ですが124円高で後場をスタートさせると一段高となり13時20分前に240円高の22,679円まで上昇しました。しかし、14時過ぎに東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が220人以上で過去最多になったと伝わると上げ幅を縮め結局、日経平均は90円高の22,529円と後場の安値で取引を終えています。一方で新興市場は軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに5日ぶりに反落となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)とファミリマート(8028)が大幅高となり日経平均を2銘柄で116円押し上げました。ソフトバンクグループは昨日の米国市場でアリババ集団(BABA)の株価が9%近く上昇し上場来高値を更新したことや、国内大手証券が目標株価を引き上げたことを受けて4.5%高となり年初来高値を更新しました。また、ファミリマートは1株2,300円で伊藤忠商事(8001)が株式公開買い付け(TOB)を実施し完全子会社化すると発表したことでストップ高の2,154円まで上昇しました。ローソン(2651)にも買いが波及しました。親会社である三菱商事(8058)がグループ再編に動くのではないかとの思惑から6.4%高となっています。

ジャスダック市場では大戸屋ホールディングス(2705)が2,613円まで上昇しストップ高となりました。コロワイド(7616)が1株3,081円でTOBを実施し約19%の保有比率を約51%に引き上げて子会社化すると発表したことで買いを集めました。さらにエーザイ(4523)は米バイオジェン(BIIB)と開発しているアルツハイマー病治療薬の承認申請を完了したと発表したことで4.8%高となっています。一方で昨日の取引終了後に第1四半期の決算を発表したイオン(8267)が営業損益が赤字に転落したことで4.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国株高を受けて反発し、昨日に割り込んだ25日移動平均線(22,475円)を回復しました。明日も上場投資信託(ETF)の分配金支払いに絡む売りが警戒されますが、そうしたなかで下値サポートとして意識されている25日移動平均線を維持できるかがポイントとなりそうです。また、明日は取引終了後に安川電機(6506)の第1四半期の決算発表が予定されています。今月下旬からスタートする3月決算企業の第1四半期決算を占う試金石として関心が高く注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)