東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株高を受けて続伸となりました。日経平均は120円高の22,266円で寄り付くと10時20分過ぎに166円高の22,312円まで上昇しましたが、買いが続かず10時40分過ぎに65円高の22,211円まで上げ幅を縮めると74円高の22,220円で前場を終えました。61円高でスタートした後場は東京都の新型コロナウイルスの新規感染者が120人以上と伝わったことでさらに上げ幅を縮める展開となり13時過ぎに9円高の22,154円まで弱含み本日の安値を付けました。その後やや戻ししばらく22,200円近辺で推移した日経平均ですが、14時30分ごろから上げ幅を広げると160円高の22,306円と後場の高値で取引を終えました。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数が7日ぶりに反発したうえ、日経ジャスダック平均も3日ぶりの反発となっています。

2.個別銘柄等

昨日の取引終了後に2020年5月期の本決算を発表したクスリのアオキホールディングス(3549)が急伸し11.7%高となりました。営業利益が二桁増益となり会社予想や市場予想を大きく上回ったことが好感されました。

反対に決算発表を受けて売られたのがキユーピー(2809)で昨日の引け後に発表した上期決算で新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより業務用向け商品を中心とした売上減少が6月まで継続する見通しとなったことなどから通期の業績予想を下方修正したことで5.7%安となりました。アパレル大手のITSホールディングス(3608)も第1四半期の営業損益が赤字に転落したことで急落し11.0%安となっています。

月次の売上高が好調で買われたのがライトオン(7445)で夏物セールが好調で6月の既存店売上高が前年同月比9.8%増とプラスに転じたことで6.0%高となっています。投資判断や目標株価の引き上げで大きく上げたのがエムスリー(2413)や日本オラクル(4716)で、エムスリーは目標株価の引き上げを受けて4.5%高となり、日本オラクルは投資判断と目標株価の引き上げを受けて5.3%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は予想を上回る米雇用統計の改善を受けての米国株高を受けて続伸となりました。日経平均は下値サポートとして意識されていた25日移動平均線を月曜日に割り込んでから上値が重く伸び悩む場面が目立ちますが、本日も東京都の新規感染者数の増加を受けて上げ幅を大きく縮める場面がありました。25日移動平均線を回復して最近のこうした傾向に変化がみられるかが焦点となりそうですが、来週はイオン(8267)やセブン&アイ・ホールディングス(3382)など小売り大手の第1四半期の決算発表が相次ぐほか、安川電機(6506)の第1四半期の決算発表も予定されています。なお、今晩の米国市場は独立記念日の振り替え休日で休場となります。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)