今週の米国の経済指標の結果に注目
米国の一部の州で新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、米株式市場に参加する投資家のリスクオンの姿勢は後退しているような雰囲気です。IMF(国際通貨基金)による2020年の経済成長率の下方修正で景気早期回復への疑念が強くなる中、今週は米国の経済指標の結果が注目されます。
特に、米国は7月3日が独立記念日の振替休日であるため、6月の米雇用統計が変則的に7月2日に発表される予定で、東京市場も週末の相場で織り込むことになります。米国市場も3連休を前に変動率が高まる可能性が高く、日経平均とともに次のステージとしての方向性が見えてくるかが焦点となります。
国内でも、7月1日に6月の日銀短観が発表予定です。市場予想では大企業製造業の業況判断DIはマイナス31、大企業非製造業はマイナス20と、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の抑制の影響で、前回から大幅悪化が見込まれています。
国内のポイントは先行き業況判断DI
「ここは当然悪いよね」ということになるのですが、ポイントは先行き業況判断DIがどうなるかです。製造業・非製造業ともに改善が予想されています。緊急事態宣言解除後も新型コロナウイルス第2波への懸念が強いですが、予想以上に改善を示す結果となれば、業績底入れ期待から株式市場の追い風になります。予想ほど改善していなければ、株式市場の逆風になります。
当日夜には6月の米ISM製造業景気指数の発表も予定されており、上述したように直後には米雇用統計が控えています。したがって反応しきれないかもしれませんが、スケジュール観としては日銀短観から米雇用統計までの景況感に対する株価の反応には良い意味でも悪い意味でも要注目です。
テクニカル面での注目ポイント
テクニカル面での注目点は、日経平均の月末(6月30日)の終値です。今週で6月相場が終わり、6月の終値が確定します。月足でみると、5月は12ヶ月線(21,809円6月26日)、24ヶ月線(21,793円 同)、36ヶ月線(21,779円 同)の3つが重なる21,800円処まで上昇し、6月はその極めて重要なフシをやや上回っています(6月29日前場引け段階)。
このまま21,800円処を月末の終値で上回った状況を維持できれば、早い時期に一段高のシナリオ。下回る場合は、7月以降は調整のシナリオが浮上し、心理的フシの21,000円や60ヶ月線(20,321円 同)まで下落余地が拡大する可能性が高まるとみられます。
上述した景況感に対する株価の反応は、日経平均の月末終値の着地点次第で明暗が分かれることになるかもしれません。