【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25,595.80  △580.25 (6/29)
NASDAQ: 9,874.15  △116.93 (6/29)

1.概況

米国市場は市場予想を上回る経済指標の発表を受けて景気敏感株を中心に買いが入り大幅反発となりました。ダウ平均は136ドル高でスタートすると大きく上げ幅を広げる展開となり昼過ぎに520ドル高程度まで上昇しました。その後一旦伸び悩みましたが引けにかけてさらに上げ幅を広げると結局580ドル高の25,595ドルとほぼ高値引けで取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も116ポイント高の9,874ポイントとなっています。

2.経済指標等

5月の中古住宅販売仮契約指数は前月比44.3%上昇の99.6となり過去最大の伸びとなり市場予想を大幅に上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも資本財・サービスが3%以上上昇したほか、コミュニケーション・サービスも2%余り上げました。また、素材と公益事業、生活必需品も2%近く上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はシスコシステムズ(CSCO)を除く29銘柄が上げました。そのなかでも米連邦航空局が運航停止中の小型機737MAXの試験飛行を今週に始めると明らかにしたことでボーイング(BA)が14%以上上げ、ダウ平均を1銘柄で170ドル余り押し上げました。また、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)が5%近く上げたほか、ダウ(DOW)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も3%近く上昇しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、化粧品のコティ(COTY)が有名タレントと戦略的な提携を結んだと発表したことで急伸し13%以上上げました。住宅建設のトール・ブラザーズ(TOL)も中古住宅販売仮契約指数が市場予想を大幅に上回ったことで7%余り上げています。さらに取引終了後に決算を発表した半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)は売上高が市場予想を上回ったことなどから時間外で大きく上げています。一方で代替肉のビヨンド・ミート(BYND)が投資判断の引き下げを受けて7%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い0.62%となりました。ドル円は107円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨日に割り込んだ25日移動平均線(昨日時点で22,356円)を回復できるかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の10時に中国で製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)