【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25,015.55  ▼730.05 (6/26)
NASDAQ: 9,757.22  ▼259.78 (6/26)

1.概況

先週末の米国市場は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて一部の州が経済活動の規制を再び強化したことを嫌気して大幅反落となりました。103ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに690ドル安程度まで下落した後一旦下げ渋りましたが、取引終盤に再び下げ幅を広げると結局730ドル安の25,015ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も259ポイント安の9,757ポイントとなり10,000ポイントの大台を割り込んでいます。

2.経済指標等

6月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は78.1と速報値の78.9から下方修正され市場予想も下回りました。また、5月の個人消費支出(PCE)は前月比8.2%増と過去最大の伸びとなったものの市場予想を下回りました。一方で5月の米個人所得は4.2%減に止まり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスと金融が4%を上回る下落となったほか、エネルギーも3%を超える下げとなりました。一般消費財・サービスと生活必需品、情報技術も2%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はシスコシステムズ(CSCO)を除く29銘柄が下げました。そのなかでも米連邦準備理事会(FRB)がストレステストの結果を受けて大手行に自社株買いと配当増額の一時停止を要請したことでゴールドマン・サックス(GS)が8%以上下げ下落率トップとなったほか、JPモルガン・チェース(JPM)も5%を超える下落となりました。また、決算で最終損益が赤字に転落したナイキ(NKE)も7%を上回る下落となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、フェイスブック(FB)が欧米の主要企業が相次いで広告掲載の停止の方針を示したことで8%を超える下げとなりました。さらに半導体株が安くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)が3%以上下げています。一方でギャップ(GPS)が著名なラッパーと契約を結んだことが好感され19%近く上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.04%低い0.64%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(先週末時点で22,306円)を引けで維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)