今週も窓についての解説になります。まずは、前回のコラムで指摘したことの確認から行いたいと思います。

日経平均は下げ止まったのか

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

前回のコラムで、「日経平均株価は下げ止まったのか」という問いに対して、「私はまだ安心できないと考えています」としました。なぜなら、「短期のトレンドを探る5日移動平均線が下向きを続けていた」からです。

そこで、今週までの実際の日足チャートを見ますと、6月18日(木)まで5日移動平均線が下向きを続けていたことから、株価は5日移動平均線上を維持していたものの、伸び悩んで方向感のない値動きになっているのが分かります。

そうしたなか、今週に入って6月22日(月)に再び5日移動平均線を割り込みましたが、翌23日になって5日移動平均線を上回って始まり、5日移動平均線上を維持して終える結果となっています。

ただ、厳密に5日移動平均線の値を調べてみますと、残念ながらわずかに下向きに変化して終えているのです。なぜ株価が5日移動平均線を上回って終えているにもかかわらず、下向きに変わってしまっているのでしょうか。

それは、入れ替わった6日前の終値より、当日の終値の方が低いため、入れ替わることによって5日移動平均線の値が小さくなり、下向きに変化してしまうことによって起こるのです。

こうした現象は、株価の方向が定まらず、一定のレンジ内で動くときに多く見られるものです。5日移動平均線が明確に上向くためには、終値ベースの株価水準が切り上がっていく必要があるのです。

このような状況が続いていることについて、私は「安心できない」と考えています。

ただ一方で、5日移動平均線上を維持して株価水準が少しずつでも切り上がる状態に変わるようですと、5日移動平均線が明確に上向きに変化することになり、短期のトレンドがはっきりと上向きに変化してくるのではないかと思います。

もち合いを上放れた後、5日移動平均線上を維持できるのか

そうなりますと、次に考えるべきことは、上放れたあとに「5日移動平均線上を維持できるのか」ということになります。

過去に何度も解説していますが、上向きに変化した5日移動平均線を株価が上回ってから、その後も5日移動平均線上を維持するようですと、5日移動平均線の上昇が続くことになるため、6月8日の戻り高値を上回り、2月21日と25日のあいだにあけた窓を埋めることが視野に入ってきそうです。

一方で、5日移動平均線上を維持できずに割り込んだり、5日移動平均線を挟んで上限に変動するような値動きになったときには、2月の窓を埋めることができないばかりか、株価のもち合い継続が考えられるほか、再び25日移動平均線や200日移動平均線に接近したり、割り込んだりすることが考えられます。そのため、買いポジションを持っている投資家は売り時を逃さないよう注意が必要になるのではないかと思われます。

テクニカル分析では、細かい判断がその後の投資行動やパフォーマンスを左右することになりますので、見落とさないようにしたいところです。