今週も窓についての解説が続きます。それにしても先週のメジャーSQ前から今週初めにかけて、日経平均は激しい値動きとなりました。

それではいつものようにチャートを見ながら確認したいと思います。

メジャーSQを前に株価は下落し、その後は窓を埋めながら値動きの激しい展開に

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

前回のコラムでは、2月21日と25日のあいだにあけた窓を埋めるかどうかについては、「5日移動平均線上を維持できるかどうかにかかっていると思われます」とお伝えしました。しかし、期待されていた方にとっては残念ですが、メジャーSQの前日から大幅安となって5日移動平均線を下回り、SQ当日も下落が止まらず、窓をあけて終えているのが分かります。

また、今週6月15日(月)は700円以上の値下がりとなって一気に200日移動平均線を下回り、上向きの25日移動平均線割れギリギリの水準まで下落しました。
一方、その翌営業日6月16日(火)には、15日の下落分を取り返して、さらに下向きの5日移動平均線を上回り、さらに11日と12日のあいだにあけた窓も埋める結果となりました。

フィボナッチリトレースメントの水準で下げ止まる

このように、メジャーSQの前日から非常に激しい値動きになっているわけですが、6月15日に25日移動平均線上で下げ止まっているところで注目すべきポイントがあります。それは、フィボナッチリトレースメントの水準です。

フィボナッチリトレースメントで見ると、3月の安値から6月高値までの23.6%押しの水準と重なっているのです。このように25日移動平均線とフィボナッチリトレースメントの23.6%押しが重なる水準で下げ止まったために、5月27日と28日のあいだにあけた窓を埋めることなく維持していると同時に、翌営業日の反発につながったと考えられるのではないでしょうか。

果たしてこれで下げ止まったと考えられるのか

では、これで下げ止まったと考えていいのでしょうか。

私はまだ安心できないと考えています。なぜなら、短期のトレンドを探る5日移動平均線が下向きを続けているからです。そのため、下げ止まって反発が続くためには、5日移動平均線を上回ったまま維持すると同時に、5日移動平均線が上向きに変化する必要があると考えています。

仮に5日移動平均線が上向きに変化するようですと、23,000円台を回復する可能性が高まります。その反面、5日移動平均線上を維持できずに5日移動平均線を下回るようですと、接近する200日移動平均線と25日移動平均線の両方を、15日の値動きと同様に一気に下回る可能性が残ることになりますので注意が必要です。

また、フィボナッチリトレースメントの水準も重要と思われます。23.6%押しの水準を下回って戻せないようですと、38.2%の水準辺りまで下落が続き、まだ埋まっていない窓を埋めることも考えられますので、引き続き慎重に値動きを判断するようにしたいところです。