マザーズ市場はバイオ株を中心に活況を呈しています。今週はマザーズ市場に4社上場が予定されており、IPO(新規株式上場)も再開します。既存上場銘柄への換金売りも予想されますが、マザーズ市場の1日の売買代金は2,000億円台を回復しており、上値追いが続く銘柄の値崩れまでは想定しづらいです。むしろ、資金流入による活況につながる可能性が高く、売買代金が3,000億円台に乗せられるかが注目されます。

さて、図表は、日経平均とマザーズ指数の相対指数です。相対指数の上昇は日経平均の優位を示す一方、低下はマザーズ指数の優位を示します。2016年半ば以降は日経平均優位の長いトレンドが続きましたが、今回の新型コロナショックによる急落をきっかけに、急速にマザーズ指数優位のトレンドに変わっているのが確認できます。この先、拡大基調が続くバンドの下限に沿って動くとみれば、マザーズ指数優位の展開はしばらく続く見立てとなります。

【図表】 日経平均とマザーズ指数の相対チャート(2015/1/4-2020/6/19)
出所: QUICK Astra Managerより DZHフィナンシャルリサーチ作成

一方、トレンドライン(右肩上がりの赤の直線)を引くと、2本のうち下方のトレンドラインで少し下げ渋りましたが、微妙に下回りつつあります。明確に下回るようだと、マザーズ優位継続への確度が高まると思われます。ここから日経平均優位に転換するか、さらにマザーズ指数優位が強まるか、ある意味で正念場にあるといえます。