前回まで、相場の時間関係を特に重視してきましたが、特に多用する3つの時間関係について今一度整理しておきます。

基本数値、一期、一巡、一環、一巡環の時間経過

基本数値は9と26を絶対数としてこれらの組み合わせでなされる数となります。
一目均衡表の作成には基本数値を使いますが、均衡表の本来的定義は基本数値の期間での半値関係を表す表ということになります。

  9
  17(9+9-1)
  26 一期
  33(17+17-1)
  42(26+17-1)
  51(26+26-1)
  65(33+33-1)
  76(26+26+26-2)三期=一巡
  83(42+42-1)
  97(33+33+33-1)
  129(65+65-1)
  226(76+76+76-2)三巡=一環
  676(226+226+226-2)三環=一巡環

組み合わせによって基本数値はいくらでも出てくくることになりますが26、76、226、676にはそれぞれ名前がついていて、一期、一巡、一環、一巡環と言います。

この連載では安値、高値、モミアイ起点から一期、一巡、一環、一巡環の時間を当てはめ、相場の重要な分岐点を探るようにお伝えしてきました。

上げ相場、下げ相場、モミアイ相場、いずれの場合もこれらの日数を経過してきた時に現状を今一度探り、変化の有無を確認することが非常に大事です。(2019年5月21日の記事をご参照ください。)

直近の変動ではこれらの時間はどのように経過している、または経過しつつあるでしょうか。

【図表1】一目均衡表 ドル/円 週足
出所:筆者作成(2020年6月16日)

図は週足となりますが、一巡環の時間経過を記しています。

2017年9月8日安値から676日目に当たる2020年4月20日、一巡環で同水準をつけてきていることが判ります。

本日6月16日は2017年11月6日高値から一巡環となりますが、現在位置もまた、2017年9月8日安値水準となっています。

大雑把に言えば、現在位置からの上昇では上げ三波動が強調される、下落では下げ三波動が強調されるということになります。(ただし、上昇は明確化しにくい。後述)

【図表2】一目均衡表 ドル/円 日足
出所:筆者作成(2020年6月16日)

図は日足となります。
一環226日の時間経過に関しては経験的には226よりもむしろ247、257と言った日数のほうが大事です。
2019年6月25日安値から226日目は直近安値5月7日、247日目が6月5日高値でありました。257日目は6月19日となります。
また2019年8月安値から226日目は7月8日となっています。

「長期三波動構成の時間関係」と「モミアイ相場水準からの時間関係」については次回述べることとしますが、先に述べたように現在位置2011年11月高値からの一巡環6月16日からの上昇では上げ相場が明確化しにくい、また下げは明確化しやすいというのは相場水準と三波動構成のあり方によります。

前回まで述べているように、ドル円相場は現在3つの相場水準が大事です。
【1】2019年5月31日実線と交わる遅行スパン108.483円
【2】2019年1月3日終値107.657円
【3】2019年6月25日安値106.778円

直近変動では6月5日高値までの上昇で【1】を上抜いたものの、【3】水準まで下落し6月16日現在位置は【2】水準であり、今後の上昇では今一度【1】水準がネックとなってきます。

三波動構成の時間関係は幾つか重要なものがあります。

【図表3】
出所:筆者作成(2020年6月2日)

2016年8月安値から12月高値まで88日の上昇に対し、2020年3月安値から88日目7月8日
2017年1月高値から2018年10月高値まで456日に対し、2018年10月高値から456日目7月8日

【図表4】

出所:筆者作成(2020年6月9日)

3月9日起点5月7日中心点として44日、44日の7月7日
5月7日起点として22日、22日の7月6日
などがありますが、現在位置からの上昇で水準まで到達しても、押しを入れるようなら改めて6月11日からの小さな三波動も数えねばなりません。

要するに7月8日までの時間が限られている上に各水準、均衡表が上値を阻む可能性を残す以上、上昇のケースでは限定的にならざるを得ないのです。

逆に下げるケースでは6月5日高値が中心とならざるを得ない点も問題となります。
6月5日は重視した変化日6月4日、8日の1日違いでありました。
特に6月4日は下落時間に対するモミアイ時間の限界として非常に大事な変化日となっています。

【図表5】
出所:筆者作成(2020年6月2日)

また日足、週足、月足ともに【3】水準を割り込めば下値を支える均衡表が存在しないということもあり、また下げ三波動の時間は残っているということも重視せねばなりません。

今日からの騰落よりも来週6月22日の変化日からの変動が大事となりますが、最重要視すべきは7月7日、8日ということになるでしょう。

ここまで大きく見れば極めて長期のモミアイ相場が続いていますが、2月からの騰落で大きな亀裂が入ってしまったことでより複雑化してしまったきらいがあります。

7月8日から上下いずれかに動き出すかが大事。この前に3つの相場水準モミアイを逸脱する騰落あれば7月8日までの上昇もしくは下落となるでしょう。

※本文ならびにチャートの時間軸は取引日で作成しています。