【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25,128.17  ▼1,861.82 (6/11)
NASDAQ: 9,492.73  ▼527.62 (6/11)

1.概況

米国市場はテキサス州など早い段階で経済再開に踏み切った州で新型コロナウイルスの感染が再拡大していることから感染拡大の第2波への警戒感が強まり急落となりました。ダウ平均は707ドル安と大きく下落してスタートすると一日を通して下げ幅を大きく広げる展開となりました。取引終盤に1,907ドル安まで下落する場面もあったダウ平均は結局1,861ドル安の25,128ドルで取引を終え3日続落となりました。ダウ平均の下げ幅は過去4番目の大きさとなっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も527ポイント安の9,492ポイントと5日ぶりの反落となりました。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は35万5000件減の154万2000件となり市場予想を上回る改善となりました。また、5月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.4%上昇し市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが9%を超える下落となったほか、金融も8%余り下げました。また、素材と資本財・サービスも7%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでもボーイング(BA)が16%以上下げダウ平均を1銘柄で220ドル近く押し下げたほか、ダウ(DOW)も10%近く下落しました。IBM(IBM)とゴールドマン・サックス(GS)も9%以上下げ、エクソンモービル(XOM)とトラベラーズ(TRV)、シェブロン(CVX)、JPモルガン・チェース(JPM)、キャタピラー(CAT)、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)も8%を超える下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では空運株が売られユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が16%余り下げたうえ、デルタ航空(DAL)も14%安となりました。アメリカン航空グループ(AAL)も15%以上下げています。クルーズ船のロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)やノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)も安く、ロイヤル・カリビアン・クルーズが14%以上、ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングスも16%以上下げています。また、スターバックス(SBUX)が投資判断の引き下げを受けて8%を上回る下落となっています。一方で食事配達のグラブハブ(GRUB)がオランダの企業が73億ドルで買収すると発表したことで4%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%低い0.67%となりました。ドル円は106円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場の急落を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は下値模索の展開となりそうで200日移動平均線(昨日時点で21,741円)を引けで維持できるかがポイントとなりそうです。なお、本日は3カ月に一度のメジャーSQです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)