早くも6月相場入りです。5月の日経平均は8.3%上昇、上げ幅では2015年10月以来の大きさでした。6月はこのまま23,000円台へ水準を切り上げていくのか、それとも反転調整となるか、5月の勢いが続くかどうかの正念場です。

過去の6月相場、1996年~2019年までの24年間における騰落状況は17勝7敗と大幅に勝ち越しとなっています。2015年は年間の高値、2016年は英国のEU離脱の賛否を問う投票があり年間の安値を付けました。

2019年は4月高値からの調整が一巡し、月前半から切り返した経緯があります。そういった意味では基調が変化しやすい月でもあり、外部環境の変化によっては序盤から調整に入るシナリオも想定しておきたいところです。

また、月別変動率を絶対値でみると、6月は過去10年ではほかの月に比べると相対的に変動が小さいです。7月はさらに値動きが小さくなる傾向があります。過去20年でみても同じ結果となります。

さて、テクニカル面でみてみると、5月の大幅上昇によって変化があったのは、2012年安値付近を起点に2016年安値を通る長期の上昇トレンドライン上に株価が回復した点です。2月からの急落で一時的に下回る格好にはなりましたが、5月で早々に回復してきています。

これは長期の上昇基調に戻った可能性を示唆するひとつのサインです。そう簡単に年初来高値更新とは期待しがたいものの、次の調整時でも上昇トレンドライン上から上昇すれば、あとあとには年初来高値更新につながる可能性が再び高まるとみられます。

一方、足元の強い反発の反動が多少大きなものになれば、上昇トレンドラインを下回る展開も想定されます。しかし、その場合でもすぐに上昇トレンドライン上に浮上できれば、二番底の下値固めとなります。

日足では、200日移動平均線を約3ヶ月ぶりに上抜きました。次の主要な上値メドは2月3日安値22,775円前後が予想されます。3月安値を起点としたE計算値(22,770円)に重複するフシとして注目度は高そうです。

安値から二段上げのパターン(N字パターン)の基本的な計算方法はほかにもありますが、その中ではE計算値が最も高く見積もる水準になるため、今の勢いで上昇すると、今週、もしくは来週中にも到達する可能性大となります。