【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25,548.27 △553.16 (5/27)
NASDAQ: 9,412.36 △72.14 (5/27)
1.概況
米国市場はニューヨーク市長が6月前半から段階的な経済再開に入る可能性を示唆したことや、米国立アレルギー感染症研究所の所長が新型コロナの感染の第2波を避けられる可能性を指摘したと伝わったことで経済活動の再開が順調に進むとの期待から大幅続伸となりました。303ドル高でスタートしたダウ平均は午前中に14ドル高まで上げ幅を縮める場面もありましたが、25,000ドルを前に下げ渋ると持ち直しその後も堅調に推移すると引けにかけて一段高となりました。結局ダウ平均は553ドル高の25,548ドルとほぼ高値引けで取引を終えています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も72ポイント高の9,412ポイントと3日続伸となっています。
2.経済指標等
米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備制度理事会(FRB)は経済活動が新型コロナウイルスの感染拡大により大半の地区で急激に低下したとしています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも金融が4%を超える上昇となったほか、資本財・サービスも3%以上上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでもアメリカン・エキスプレス(AXP)が7%を超える上昇となったほか、ゴールドマン・サックス(GS)も7%近く上げました。JPモルガン・チェース(JPM)も6%近く上昇し、キャタピラー(CAT)は4%以上上げました。スリーエム(MMM)も4%近く上昇しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、電気照明事業を売却すると発表したゼネラル・エレクトリック(GE)が経営の効率化が進むとの期待から買われ7%以上上げています。一方で経済活動の再開が順調に進むとの期待が高まり巣ごもり消費関連銘柄に売りが出るなかゲーム用半導体の販売が減るとの見方から画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が2%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い0.68%となりました。ドル円は107円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の21,500円を上回りそうですが、短期的な過熱感が強まるなかで上値を伸ばし200日移動平均線(昨日時点で21,655円)を試すような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)