東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は経済活動の正常化への期待が引き続き相場を支え3日続伸となりました。日経平均は21円安の21,249円で寄り付くと128円安の21,142円まで下落しましたが、切り返すと106円高の21,377円まで上昇するなど前場は昨日の終値を挟んで揉み合う展開となり4円安の21,266円で前場の取引を終えました。後場は買いが優勢となり98円高でスタートすると13時30分過ぎに204円高の21,475円まで上昇しました。その後も21,400円台で推移した日経平均は結局148円高の21,419円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数が反発したほか、日経ジャスダック平均も9日続伸となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場でゴールドマン・サックス(GS)が9%近く上昇し、JPモルガン・チェース(JPM)も7%以上上げるなど大手金融株が大きく上げた流れを引き継いで日本市場でもメガバンクが買われました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が3.6%高となったほか、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が3.1%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も3.7%高となりました。また、地銀株の一角も高くコンコルディア・フィナンシャルグループ(7186)が4.3%高、千葉銀行(8331)が3.1%高となっています。

昨日の引け後に発表された決算に大きく反応したのがDOWAホールディングス(5714)で10.6%高と急伸しました。2020年3月期の営業利益が前期比39%増の260億円と大幅増益となり会社計画や市場予想を上回ったことで買いを集めました。マブチモーター(6592)はこれまで未定としていた2020年12月期の業績予想を発表したことで不透明感が払しょくされ8.4%高となっています。一方で2020年3月期の営業利益が前期比22.5%減となった西武ホールディングス(9024)が5.1%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は続伸となりました。昨日時点で東証1部の騰落レシオが133%となり、日経平均の25日移動平均線からの乖離率も6.3%となるなど短期的な過熱感が意識されるなかで130円近く下げる場面もありましたが、それでも後場に買いが優勢になると引けは148円高となりました。経済活動が再開されるなかで先高期待が一段と高まっているようです。

なお、決算発表も終盤ですがそれでもマーケットでの関心の高い企業の決算発表が幾つか残っています。本日もリクルートホールディングス(6098)などが決算を発表するほか、明日は東レ(3402)や日立建機(6305)、日産(7201)、ニコン(7731)などが、そして週末もLIXILグループ(5938)や日立(6501)、オリンパス(7733)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)