5日移動平均線のサポートで上昇を続ける
前回のコラムでは「75日移動平均線は下向きですが、仮に下向きの75日移動平均線上を維持できれば、5日移動平均線や25日移動平均線が上昇してきます。それと同時に、75日移動平均線を5日移動平均線から順番に上回ることが考えられます。そうなれば、5日移動平均線や25日移動平均線がサポートになって、株価水準を維持すると同時に水準の切り上げが続いて21,000円台に到達することも期待されるのではないかと思われます」としましたが、果たして結果は…。
チャートを見ると、指摘したとおり75日移動平均線上を維持したことから、5日移動平均線がサポートになって上昇を続ける結果となったことが分かります。
また、5月26日の上昇で21,000円台に乗せて終えていることも分かります。さらに2019年8月のもち合いのレンジも一気に上回って終えていますので、戻りを試している状態が続いていると考えられそうです。
61.8%戻しの水準を維持できるか
そうしたなか、過去に何度も解説してきた株価水準について確認したいと思います。株価水準を調べるとき、高値と安値を決める必要があります。誰が見ても高値や安値と認識できるものにならなければいけませんので、チャートに示されているように、2020年1月の高値と2020年3月の安値の値幅のなかでチェックします。
この高値と安値の値幅のなかでの水準を見ますと、61.8%戻しを上回っているのが分かります。そのため、この水準を維持できるかどうかが、今後の株価の推移を決めるカギになるのではないかと思われます。
続いて注目されるのが、このまま5日移動平均線上を維持して反発が続いた場合の動向です。仮に反発が続いて水準を切り上げた場合、下向きの200日移動平均線に接近することが考えられます。そのため、反発が続いた場合は200日移動平均線を上回ることができるかが次のカギになります。
200日移動平均線を上回れば、2月の残りの窓埋めが視野に
また、200日移動平均線を上回るようですと、2月にあけたもう1つの窓を埋めることも視野に入るのではないでしょうか。
一方で、200日移動平均線を上回っても維持できずに押し返されたり、届かずに反落したりするようですと、今回新たに発生した窓を埋めることが考えられます。そのため、上昇が一服して反落すると同時に5日移動平均線を下回ったり、5日移動平均線が下向きに変化したりしたときは、売り時を逃さないようにする必要があります。
今回新たに発生した窓は、過去の値幅の範囲内で発生しているため、コモンギャップと考えられます。したがって、反落した場合は窓を埋めることを視野に入れると同時に、売買タイミングには注意するようにしたいところです。