【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 24,995.11 △529.95 (5/26)
NASDAQ: 9,340.22 △15.63 (5/26)
1.概況
米国市場は米バイオ製薬企業が新型コロナウイルスのワクチン候補の臨床試験を始めたと発表したことでワクチン開発への期待が高まり大幅高となりました。ダウ平均は316ドル高でスタートするとさらに上げ幅を広げ午後に711ドル高の25,176ドルまで買われ節目の25,000ドルを上回る場面もありましたが、引けにかけて上げ幅を縮めると結局529ドル高の24,995ドルと3日ぶりに反発して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も15ポイント高の9,340ポイントと続伸となっています。
2.経済指標等
3月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比3.9%上昇し市場予想も上回りました。4月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比0.6%増の62万3000戸となり減少を見込んでいた市場予想を上回りました。一方で5月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は86.6と前月から上昇したものの市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が上げ、金融が5%高となったほか、資本財・サービスも4%以上上げました。一方でヘルスケアと情報技術の2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでも投資判断の引き上げを好感してゴールドマン・サックス(GS)が9%近く上昇したほか、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)とダウ(DOW)、JPモルガン・チェース(JPM)も7%以上上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、格安航空会社のサウスウエスト航空(LUV)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて急伸し12%以上上げています。また、4月の新築住宅販売件数が予想に反して増加となったことを受けて住宅建設株が高く、レナー(LEN)が3%近く上げたうえ、DRホートン(DHI)も3%以上上げています。KBホーム(KBH)も4%余り上げました。さらに営業を再開した店舗の業績が予想以上のペースで回復していると伝わった百貨店のメーシーズ(M)が18%以上上げています。一方で巣ごもり消費が一服するとの見方から動画配信のネットフリックス(NFLX)が3%を上回る下落となりました。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い0.69%となりました。ドル円は107円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は昨日に大幅高となった後ということもあって様子見でのスタートが予想されます。短期的な過熱感も意識されるなかで昨日までの堅調さを本日も維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)