東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は経済活動再開への期待が高まり続伸となり、日経平均が節目の21,000円を回復しました。日経平均は186円高の20,927円で寄り付くとしばらく21,000円を挟んで揉み合いましたが、9時40分ごろから上げ幅を広げると前場は455円高の21,197円と前場の高値で取引を終えました。前場の高値を上回り462円高でスタートした後場は上げ幅を500円超に広げ一段高となりました。大引け間際に586円高の21,328円と本日の高値を付けた日経平均は結局529円高の21,271円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が反落となった一方で、日経ジャスダック平均は8日続伸となっています。

2.個別銘柄等

日経平均が大幅高となるなか寄与度の高い銘柄が大きく上げました。ファーストリテイリング(9983)が3.9%高となったほか、ソフトバンクグループ(9984)も4.3%高となり日経平均を2銘柄で120円押し上げています。

また、緊急事態宣言が全国で解除され経済活動の再開や移動の解禁で旅客需要が回復に向かうとの期待から日本航空(9201)とANAホールディングス(9202)が買われました。日本航空が8.2%高、ANAホールディングスも5.7%高となり、東証1部の売買代金で日本航空が5位、ANAホールディングスが7位と上位に入っています。JR東日本(9020)やJR東海(9022)、JR西日本(9021)も高く、JR東日本が4.1%高、JR東海が5.2%高、JR西日本も8.3%高となっています。店舗の営業再開を発表した百貨店株も高く、首都圏にある全店舗を30日から営業再開すると発表した三越伊勢丹ホールディングス(3099)が5.1%高となったうえ、グループの全商業施設で27日から営業を再開すると発表した高島屋(8233)も4.6%高となりました。J.フロント リテイリング(3086)も5.9%高となっています。一方で巣ごもり消費が減るとの見方から宅配サービスのライドオンエクスプレスホールディングス(6082)が10.0%安と急落しています。

マザーズ市場ではアンジェス(4563)が10.5%高と急伸しました。新型コロナウイルスワクチンの臨床試験を7月から始め有効性が確認できれば年内にも承認を受けて実用化される可能性がありそうだと伝わったことから買いを集めました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は緊急事態宣言が全国で解除されたことで経済活動再開への期待に加え、米株価指数先物が新型コロナウイルスのワクチン開発への期待から時間外で大幅高となったこともあって続伸となり節目の21,000円を回復しました。相場の地合いが好転に向かうなか一段高への期待も高まりますが、東証1部の騰落レシオが133%と120%を超え、日経平均の25日移動平均線からの乖離率も6.3%と5%を超えています。短期的な過熱感も出始めるなかで日経平均が明日も堅調な地合いを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)