東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国家経済会議委員長がトランプ大統領は米中貿易交渉の第1段階の合意を破棄するつもりはないと述べたと伝わったことで米中対立への懸念が後退したこともあり4日続伸となりました。日経平均は21円高の20,454円と小幅に上昇して寄り付くと上げ幅を広げ11時には188円高の20,622円まで買われました。151円高の20,584円で前場を終えた日経平均は170円高で後場をスタートさせるとさらに上げ幅を広げ13時20分過ぎには251円高の20,684円まで上昇しました。その後も20,600円台で推移した日経平均は引け間際に20,600円を割り込むと結局161円高の20,595円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って4日続伸となり、900ポイントを回復した東証マザーズ指数は年初来高値を更新しています。
2.個別銘柄等
昨日の取引終了後に決算を発表した古河電気工業(5801)が16.0%高と急伸しました。2020年3月期の営業利益は前期比42%減の236億円となりましたが、会社計画の200億円を上回ったことが好感されました。さらに株式公開買い付け(TOB)の発表に反応したのがソニーフィナンシャルホールディングス(8729)で7.6%高となりました。ソニー(6758)が1株2600円でTOBを実施し完全子会社化すると発表したことでTOB価格にサヤ寄せする格好で上昇しました。ソニーはTOBのニュースを受けて昨日後場に上げ幅を広げ3%以上上昇したことから本日は利益確定の売りに押され2.2%安となっています。
また、富士フイルムホールディングス(4901)は子会社が開発した新型コロナウイルス感染症の治療薬候補アビガンの臨床研究で明確な有効性が示されていないと伝わったことから失望売りが出て2.6%安となりました。一時は5%安近くまで下げる場面もありました。アビガンの原料を供給するデンカ(4061)も3.8%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は米国市場でダウ平均が400ドル近く下げたにも関わらず続伸となりました。昨日に引けで維持できなかった節目の20,500円も上回り地合いの堅調さを印象付ける一日となりました。こうしたなかで政府は明日、緊急事態宣言が継続している8都道府県について解除できるかどうかを改めて判断する方針ですが、その結果を受けて経済活動再開への期待が一段と高まるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)