【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 24,206.86  ▼390.51 (5/19)
NASDAQ: 9,185.10  ▼49.72 (5/19)

1.概況

米国市場は前日に急伸した反動で4日ぶりに反落となりました。ダウ平均は19ドル安でスタートしその後も軟調に推移すると、バイオ製薬のモデルナ(MRNA)が開発中の新型コロナワクチンについて医療専門メディアが有効性を示す試験データが不十分で信ぴょう性が低いと指摘したことで引けにかけて大きく下げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は390ドル安の24,206ドルとほぼ安値引けで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も49ポイント安の9,185ポイントとなっています。

2.経済指標等

4月の米住宅着工件数は年率換算で前月比30.2%減の89万1000戸と過去最大の落ち込みとなり市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが3%近く下落したほか、金融も2%を超える下げとなりました。また、不動産と生活必需品、公益事業も2%近く下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が下げました。そのなかでもボーイング(BA)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)、シェブロン(CVX)、エクソンモービル(XOM)が3%以上下落したほか、ダウ(DOW)と決算で1株利益が市場予想を下回ったホーム・デポ(HD)が3%近く下げています。一方でインテル(INTC)とナイキ(NKE)、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)が小幅に上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、買いの投資判断を受けて代替肉のビヨンド・ミート(BYND)が5%近く上げました。サウスウエスト航空(LUV)は5月に入り予約状況が改善し、6月にはさらに上向くとの見通しを発表したことで2%以上上げています。バイオ製薬のモデルナは開発中の新型コロナワクチンの効性を示す試験データが不十分で信ぴょう性が低いとの指摘を受けて10%余り下げています。決算が赤字に転落した百貨店のコールズ(KSS)も7%以上下落しています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い0.69%となりました。ドル円は107円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなかで日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)