東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国市場が急伸したことで3日続伸となりました。日経平均は335円高の20,469円で寄り付くと取引開始15分で525円高の20,659円まで上昇しましたが、上げ幅を500円以上に広げたこともあってさすがに上値が伸び悩むと節目の20,500円を割り込み11時過ぎには319円高の20,453円まで上げ幅を縮め383円高の20,517円で前場の取引を終えました。320円高の20,454円と20,500円を割り込んでスタートした後場はまもなくして20,500円を回復すると419円高の20,553円まで買われる場面もありましたが、20,500円台では上値が重く取引終盤に20,500円を割り込むと結局299円高の20,433円と本日の安値で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに3日続伸となっています。

2.個別銘柄等

昨日の取引終了後に決算を発表したパナソニック(6752)が7.0%高となりました。2020年3月期の営業利益が3割近い減益となり、2021年3月期の業績予想は未定としましたが、今期の売上高は4月がボトムになり、下期には前年並みの売上高になると想定しているとの見通しが示されたこともあって買われました。また、同じく業績予想を未定としたコマツ(6301)も4-6月期以降は需要回復に備えて生産量も回復するとの見通しが説明会で示されたことから買われ3.8%高となっています。

さらに昨日の米国市場でワクチン開発への期待が強まるなか新型コロナウイルス感染拡大の直撃を受けていた旅行・レジャー株が大幅高となった流れを引き継ぎ日本市場でもエイチ・アイ・エス(9603)やオリエンタルランド(4661)が買われ、エイチ・アイ・エスが4.5%高、オリエンタルランドも5.5%高となっています。

一方で昨日発表した決算で2020年3月期に巨額な最終赤字を計上したソフトバンクグループ(9984)はアリババ集団(BABA)株の売却などで資金を調達し自社株買いを発表したことなどが好感され朝方に3%以上上昇する場面もありましたが、投資先の減損損失リスクなどの先行きに不透明感も強いことから買いが続かず売りが優勢になると10時30分ごろにマイナスに転じ2.7%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

先週の月曜日に半値戻しを達成した後一旦は上値が重くなった日経平均ですが、新型コロナウイルスワクチン開発への期待から昨日の米国市場が急伸したことを受けて本日は300円近く上昇しました。節目の20,500円を引けでは維持できませんでしたが、一目均衡表の雲はしっかりと抜けてきました。このためリバウンド相場への期待が一段と膨らむ格好となっていますが、日経平均のPBRが1倍近くまで回復するなかでここからさらに上昇のスピードを加速させることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)