【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 24,597.37  △911.95 (5/18)
NASDAQ: 9,234.83  △220.27 (5/18)

1.概況

米国市場はバイオ製薬のモデルナ(MRNA)が新型コロナウイルスワクチンの初期の臨床試験で効果が確認されたと発表したことからワクチン開発への期待が強まり急伸しました。ダウ平均は374ドル高でスタートすると取引開始直後に800ドル高程度まで急速に買われた後一旦上値が伸び悩む場面もありましたが、その後も徐々に上げ幅を広げると取引終盤には1,023ドル高まで買われました。結局ダウ平均は911ドル高の24,597ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も220ポイント高の9,234ポイントとなっています。

2.経済指標等

5月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は37となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが7%を超える上昇となったほか、資本財・サービスも6%以上上げました。また、金融も5%を上回る上昇となり、不動産も5%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はメルク(MRK)を除く29銘柄が上げました。そのなかでも航空機需要の回復期待からボーイング(BA)が13%近く上昇しダウ平均を一銘柄で100ドル以上押し上げたほか、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)も10%近く上昇しました。また、ダウ(DOW)も9%以上上昇し、エクソンモービル(XOM)とスリーエム(MMM)、アメリカン・エキスプレス(AXP)やテーマパークに併設する商業施設を20日に再開すると発表したウォルト・ディズニー(DIS)も7%以上上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、新型コロナウイルスワクチンの初期の臨床試験で効果が確認されたと発表したモデルナが急伸し20%近く上げました。また、ワクチンの開発への期待が強まるなか新型コロナウイルス感染拡大の直撃を受けていた空運やホテルなど旅行・レジャー株が大幅高となり、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が21%以上上げたほか、マリオット・インターナショナル(MAR)も17%を超える上昇となりました。さらに投資判断と目標株価の引き上げを受けて画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が3%余り上げ上場来高値を更新しました。家電量販店のベストバイ(BBY)も投資判断と目標株価の引き上げを好感して11%近く上げています。一方でビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)はシステム障害が発生したことで6%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.08%高い0.72%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場の急伸を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の20,500円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)