原油、コモディティーと豪ドルの関係

豪ドル/米ドルは、1豪ドル=0.65米ドル前後の高値圏での推移となっている。ただ、これまでとの違いは、原油などコモディティーとの相関性が回復してきたことだろう。

原油先物が、マイナス価格に暴落する歴史的局面に、代表的な資源国通貨である豪ドルは追随しなかった(図表1参照)。ところが、最近にかけて原油価格が上昇し、コモディティーの総合指数であるCRB指数が上昇する中で、両者の相関性は回復してきた。

【図表1】豪ドル/米ドルとCRB指数(2019年~)
出所:リフィニティブ・データよりマネックス証券が作成

これについて私は、原油先物のマイナス価格といった暴落は限月交代など原油取引特有の影響も重なった結果の「異常現象」だったために豪ドルは追随しなかったのではないか、と考えた。その意味では、異常現象が解消される中で両者の相関性が回復するのは当然の結果と考えている。

さて、代表的な資源国通貨である豪ドルとCRB指数の相関関係が回復したなら、今後の豪ドルの行方はCRB指数が1つの手掛かりになる。そのCRB指数は、90日MA(移動平均線)からの乖離(かいり)率でみると、下がり過ぎ修正が進んできたものの、なお下がり過ぎ圏にありそうだ(図表2参照)。

 

【図表2】CRB指数の90日MAからの乖離率(2000年~)
出所:リフィニティブ・データよりマネックス証券が作成

以上を見ると、原油などコモディティー相場の下がり過ぎ修正がさらに続くことで、それが豪ドルのサポート要因になる状況が続く可能性が高いのではないか。