東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は先週末の米国株高に加えて、特定警戒都道府県以外の地域で緊急事態宣言が近く解除される可能性が高まったこともあって続伸となりました。日経平均は154円高の20,333円で寄り付くと10時50分に355円高の20,534円まで上げ幅を広げましたが、その後節目の20,500円を割り込むと前場を287円高の20,466円で終えました。276円高でスタートした後場は再び20,500円台に乗せ13時に342円高の20,521円まで買われる場面もありました。しかし、前場の高値を前に上値が押さえられると20,500円を下回って推移し引けにかけて20,400円も割り込みました。結局、日経平均は211円高の20,390円と3日続伸となっています。
こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数が反発となったほか、日経ジャスダック平均も3日続伸となっています
2.個別銘柄等
決算発表で業績予想を未定とする企業も多いなか増益見通しを発表した銘柄に大きく上昇するものがみられました。2021年3月期の営業利益の見通しの上限を前期比2.3%増の600億円としたミネベアミツミ(6479)は増益となる可能性が示されたことで6.1%高となりました。また、二桁の営業増益見通しを発表したカプコン(9697)に加えて、小幅ながら増益予想を発表した全国保証(7164)も高く、カプコンが5.9%高、全国保証が7.7%高となっています。また、12月決算銘柄で第1四半期決算を発表したSUMCO(3436)が5.8%高となりました。第1四半期の営業利益は前年同期比41.2%減の116億円となりましたが、会社計画の90億円を上回ったことが好感されました。同じく12月決算銘柄で第1四半期決算を発表したサントリー食品インターナショナル(2587)も第1四半期決算の営業利益が二桁の増益となったことで7.7%高となっています。
そのほか材料がでたところでは、子会社の富士レビオの製品で新型コロナウイルスの簡易診断ができる抗原検査の検査キットが国内で初めて実用化される見通しとなったと伝わったことでみらかホールディングス(4544)が19.7%上昇しストップ高となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は先月30日に抜け切れなかった一目均衡表の雲の上限(20,237円)をしっかりと上回りました。雲の上限は新型コロナショックで大きく調整した幅の半値戻しの水準でもあることから雲を抜けてきたことで日経平均は上値余地が広がる格好となっています。こうしたなか今週は決算発表がピークを迎えます。明日の13時10分にはトヨタ(7203)が決算を発表するほか、引け後にはホンダ(7267)も決算を発表します。また、13日にはソニー(6758)が、そして週末にはメガバンク3行などが決算発表をする予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)