東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は昨日に大きく上げた反動で小幅に反落となりました。7円安の19,776円とほぼ横ばいで寄り付いた日経平均は朝方にプラスとなる場面もありましたが、58円高で上値が押さえられるとマイナスに転じ11時には144円安の19,638円まで下落しました。前場を122円安で終えた日経平均は下げ幅を縮め63円安の19,719円で後場の取引をスタートさせると13時10分過ぎに再び104円安まで下落しましたが、その後持ち直すと引け間際には6円安まで下げ幅を縮めました。しかし、昨日の終値を前に上値が重く戻しきれないと結局12円安の19,771円で取引を終えています。

一方でTOPIXは小幅に続伸となりました。また、新興市場も堅調で東証マザーズ指数が4日続伸となったほか、日経ジャスダック平均も続伸となっています。

2.個別銘柄等

イビデン(4062)が決算発表を受けて急伸しました。2020年3月期の営業利益が94%余りの増益となったことに加えて、2021年3月期の営業利益も37%以上の営業増益となる見通しを発表したことが好感され18.1%高となりました。また、日東電工(6988)は減益予想ながら市場予想を上回る上期の営業利益の見通しを発表したことで4.5%高となり、ルネサスエレクトロニクス(6723)も第1四半期の営業利益が市場予想を上回ったことで9.6%高となっています。一方で2021年3月期の営業利益が25%余りの減益となる見通しを発表した京セラ(6971)が4.8%安と売られました。第1四半期の決算を発表したコクヨ(7984)も2020年12月期の業績予想を取り下げ未定としたことで4.3%安となっています。

そのほか材料がでたところでは、新型コロナウイルスの予防ワクチンを国立感染症研究所と共同で開発すると発表した塩野義製薬(4507)が3.6%高となりました。みらかホールディングス(4544)も傘下の富士レビオが新型コロナウイルスをPCR検査より短時間で検出できる抗原検査用のキットの薬事承認に向けた申請を行ったと伝わったことで4.4%高となっています。ローソン(2651)は投資判断と目標株価の引き下げを受けて3.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

明日の日本市場は休場ですが、その間も米国では重要イベントが目白押しです。今晩から休場明けまでの間にキャタピラー(CAT)やグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)、半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、フェイスブック(FB)、テスラ(TSLA)、ボーイング(BA)などマーケットで関心の高い企業の決算発表が相次ぐほか、明日の日本時間の21時半には1-3月期の米GDP速報値が、そして30日の3時には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表されます。本日の日本市場は休場を前に様子見ムードの強い一日でしたが、休場明けの日本市場はこうしたイベントを受けて動きが出てくる可能性もありそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)