東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は大幅反発となりました。日経平均は先週末の米国株高を受けて148円高の19,410円で寄り付くとさらに上昇し11時10分には433円高の19,695円まで上げ幅を広げました。416円高の19,678円で前場の取引を終えた日経平均は昼休み中に日銀が追加の金融緩和策を発表したことで後場に入ってさらに上げ幅を広げました。14時50分過ぎには557円高の19,819円まで上昇し本日の高値を付けた日経平均は結局521円高の19,783円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数が3日続伸となったほか、日経ジャスダック平均も反発となっています。

2.個別銘柄等

先週末の決算に大きく反応するものがみられました。急伸したのがファナック(6954)で2020年3月期が大幅な減益となり、公表した上期の利益予想も大幅な減益を見込む内容でしたが、中国事業に底入れの兆しがみられたことや見通しを公表したことで不透明感が払しょくされ安心感が出たことで11.9%高となりました。また、アドバンテスト(6857)も1-3月期の受注額が前四半期に比べて大幅に増えたことなどが好感され8.4%高となりました。ストップ高となったのがイーブックイニシアティブジャパン(3658)で2021年3月期に11%近い営業増益になる見通しを発表したことで買いを集めました。さらに先週末に第1四半期の業績を発表したMonotaRO(3064)も26%を超す営業増益となったことが好感され6.2%高となっています。

一方で決算で5割を超す営業減益予想を発表したアマノ(6436)が8.3%安と急落しました。2020年3月期の業績予想を下方修正したデンソー(6902)も2.3%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

原油高を好感した先週末の米国市場の上昇を受けて反発してスタートした本日の日経平均は、日銀が国債購入の上限撤廃や社債などの買い入れ枠を増やすなどの追加の金融緩和策を決めたことを受けて上げ幅を広げる展開となりました。今週は日米欧の中銀の政策会合や米中などでの経済指標の発表、さらに日米での決算発表など重要なイベントが目白押しですが、先週に一目均衡表の雲の下限で上値を押さえられた日経平均が一目均衡表の雲の中に入ってきて大きく上げたことで明日以降の一段高への期待も膨らみそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)