「下がり過ぎ」、「動き過ぎ」修正は終盤?!

先週の米ドル/円は107円台中心の小動きに終始しました(図表1参照)。米ドル/円は1日の平均値幅を見ても、小動きが鮮明になっています。たとえば、3月のそれは2円だったのが、4月に入ると第1週が1.08円。そして第2週0.66円、第3週0.82円を経て、先週は0.51円まで縮小しました。

【図表1】過去3ヶ月の米ドル/円の日足チャート(2020年1月~)
出所:マネックス証券分析チャート

米ドル/円の一日平均値幅は、記録的な小動きとなった昨年が0.5円程度でした。今年は2月以降大きく動くようになり、とくに「コロナ・ショック」で世界的な株大暴落が広がった3月は、米ドル/円の1日平均値幅も、昨年より一気に4倍に急拡大となりました。ところが、4月に入ると値幅は縮小し、先週はついに記録的な小動きとなった昨年並みに値幅が縮小したわけです。

これは、「コロナ・ショック」の世界的な金融市場の大混乱が落ち着いてきた影響が基本的には大きいでしょう。たとえば、NYダウも先週は2万3000~2万4000ドル中心の一進一退に終始しました(図表2参照)。連日のように、1,000~2,000ドルの騰落を繰り返したことを考えると、かなり落ち着いてきたといえそうです。

【図表2】過去3ヶ月のNYダウの日足チャート(2020年1月~)
出所:マネックス証券分析チャート

このように株、為替とも小動きとなっているのは、一つには重要イベントを控えているということがあるかもしれません。今週は火曜から木曜にかけて日本、米国、ユーロ圏の金融政策会合が3日連続で予定されています。そのようなイベントを控えて動きにくかったという面はあったかもしれません。

もう少し大きな流れで見ると、3月下旬にかけての株や金利の記録的な「下がり過ぎ」、「動き過ぎ」、その修正が続いてきたということではないでしょうか。たとえば、私は4月8日付け為替デイリー(「下がり過ぎ」反動は終盤の可能性)で以下のように指摘していました。

「NYダウの90日MA(移動平均線)からのかい離率は、3月23日にはマイナス30%以上に拡大した。同かい離率がマイナス30%前後まで拡大したのは、1980年以降ではこれまで2回しかなかった。リーマン・ショック後の2008年11月20日と、ブラックマンデーの1987年10月19日だ」。

「今回のようにNYダウの90日MAからのかい離率がマイナス30%前後まで拡大するほど短期的な「下がり過ぎ」となった過去の2つのケースでは、その後は半月から1ヶ月半で15~20%程度の反発となっていた」。

NYダウは、その後もさらに反発しましたが、徐々に上値が重くなってきました。そして、3月下旬からのNYダウ反発は、すでに1ヶ月以上過ぎてきたのです。過去の経験を参考にすると、そろそろ下がり過ぎの反動での株反発は終わりに近いかもしれません。そうであれば、日米欧の金融会合が終わった後に、株反発が続くか、それとも下落再燃となるかは注目されそうです。

米ドル/円など為替の動きは、そんな株価に動意が再燃するかが手掛かりになるのではないでしょうか。