東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は原油価格が反発し米国市場が上昇したことから4日ぶりに反発しました。日経平均は175円高の19,313円で寄り付くと一旦83円高まで弱含みましたが、持ち直すと10時過ぎには246円高の19,384円まで買われました。しかし、19,400円を前に上値を押さえられた日経平均はやや上げ幅を縮め前場の取引を128円高の19,265円で終えました。後場は139円高の19,277円で取引をスタートするとじりじりと上げ幅を広げる展開となりました。14時20分過ぎに前場の高値を上回りさらに上げ幅を広げた日経平均は結局291円高の19,429円で取引を終え高値引けとなっています。ただ、商いは低調で東証1部市場の売買代金は1兆8927億円に止まり2兆円を割り込んでいます。
また、こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに3日ぶりに反発し、東証マザーズ指数は3.3%高となっています。
2.個別銘柄等
東レ(3402)が5.6%高となりました。2020年3月期の営業利益が1割減の1280億円程度になった模様との観測記事が出ましたが、想定の範囲で過度な警戒感が後退し買いが優勢となりました。ZOZO(3092)も消費増税後の節約志向や暖冬による冬物商品の伸び悩みで2020年3月期の業績予想を下方修正したものの悪材料出尽くしとなり6.1%高となりました。サイバーエージェント(4751)はインターネット広告や新作がヒットしたゲーム事業が好調で上期の営業利益が前年同期比45%増と大幅な増益となったことで6.8%高となりました。また、小糸製作所(7276)は国内大手証券が目標株価を引き上げたことで5.6%高となっています。ジャスダック市場で上昇が目立ったのがオリコン(4800)で2020年3月期の当期純利益を上方修正したことで急伸し17.0%高となっています。
一方で急落したのがエーザイ(4523)で8.9%安となりました。米バイオ医薬品大手のバイオジェン(BIIB)がエーザイと共同開発しているアルツハイマー型認知症治療薬の販売承認申請を延期したと発表したことが嫌気されました。
VIEW POINT: 明日への視点
20,000円の大台回復を前に上値を押さえられた日経平均は昨日に節目の19,000円を試す展開となりました。そして19,000円での底堅さを確認し本日は反発しました。日経平均は19,000円台で方向感を探っているようにみえますが、本日からスタートする決算発表がどちらかに動き出すきっかけになるかが注目されます。なお、本日はディスコ(6146)やオムロン(6645)などが、そして明日はアドバンテスト(6857)やファナック(6954)などが決算を発表する予定で、スタート早々からマーケットでの関心が高い企業の決算発表が続きます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)