【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 23,018.88  ▼631.56 (4/21)
NASDAQ: 8,263.23  ▼297.50 (4/21)

1.概況

米国市場はニューヨーク原油先物相場で22日から期近となる6月物が一時6ドル台を付けるなど連日での原油価格の急落を嫌気して大幅続落となりました。285ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に708ドル安まで売られたあと午後に入ってやや下げ幅を縮めたものの安値圏で軟調に推移すると結局631ドル安の23,018ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も297ポイント安の8,263ポイントとなっています。

2.経済指標等

3月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比8.5%減の527万戸と2015年11月以来4年4カ月ぶりの大幅なマイナスとなり市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも情報技術が4%以上下落したほか、金融とコミュニケーション・サービス、ヘルスケアも3%を上回る下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は変わらずとなったトラベラーズ(TRV)を除く29銘柄が下げました。そのなかでもメルク(MRK)とボーイング(BA)が5%以上下げたほか、インテル(INTC)とシスコシステムズ(CSCO)、キャタピラー(CAT)、マイクロソフト(MSFT)も4%を超える下落となりました。また、決算で売上高が市場予想以上に減ったIBM(IBM)も3%安となり、決算で新型コロナウイルスの影響で4月以降の世界の販売数量が前年同期比で25%減っていると明らかにしたコカ・コーラ(KO)も2%を上回る下げとなっています。

ダウ平均構成銘柄以外では半導体株の下げが目立ち、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が7%余り下げたうえ、エヌビディア(NVDA)が6%以上、マイクロン・テクノロジー(MU)も4%以上下げています。さらにたばこ大手のフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)が決算で市場予想を大きく下回る4-6月期の見通しを発表したことから6%近く下げています。一方で代替肉のビヨンド・ミート(BYND)が7%を超える上昇となりました。スターバックス(SBUX)が中国の店舗でビヨンド・ミート製品を使ったメニューの提供を始めると発表したことが好感されました。取引終了後に決算を発表した動画配信大手のネットフリックス(NFLX)は決算で売上高が過去最高となり、世界の契約者数の伸びも市場予想を上回ったことなどから時間外取引で一時大きく上昇しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い0.57%となりました。ドル円は107円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の19,000円を前に底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)