東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株高を受けて反発しました。日経平均は154円高の19,500円でスタートすると寄り付きを高値に上げ幅を縮めまもなくして下落に転じ10時10分過ぎに109円安の19,235円まで下落しました。しかし、やや持ち直すと小幅安で推移し前場は18円安で取引を終えました。後場は5円高と小幅なプラスに転じてスタートすると上げ幅を広げる展開となり13時50分に150円高まで上昇しました。その後日経平均は一旦上値が伸び悩みましたが、引けにかけてやや上げ幅を広げると結局152円高の19,498円と後場の高値で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数は5日ぶりに反落となった一方で、日経ジャスダック平均は5日続伸となっています。

2.個別銘柄等

米連邦準備理事会(FRB)が企業向けの新たな資金供給策を発表し昨日の米国市場で金融株が大幅高となった流れを引き継ぎ日本市場でもメガバンクが買われました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が4.4%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が4.0%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)が3.6%高となりました。また、業績予想を見直しながらも発表した銘柄と、合理的な業績予想の算出が困難であるとして公表を見送った銘柄が明暗を分けました。ファーストリテイリング(9983)は上期決算で通期の業績予想を新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に下方修正しましたが、見通しが示されたことで先行き不透明感が払拭され買いを集め一時は6%以上上昇しました。引けは2.6%高となっています。

一方で2021年2月期の業績予想を未定としたセブン&アイ・ホールディングス(3382)やローソン(2651)が売られ、セブン&アイ・ホールディングスが0.7%安、ローソンが1.4%安となっています。良品計画(7453)は業績予想の発表を見送ったことに加え、前期実績も二桁減益と冴えなかったこともあって1.5%安となっています。そのほか材料がでたところでは、検査時間を短縮できる新型コロナウイルスの検出試薬キットを発売すると発表した島津製作所(7701)が4.8%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は上昇しましたが、日経平均は節目の19,500円で上値を押さえられました。1,500円以上上げた後ということや、週末で今晩の米国市場が聖金曜日の祝日で休場となることもあって19,500円回復はお預けとなりました。したがって引き続き19,500円や3月下旬に付けた戻り高値(19,564円)を超えられるかが当面のポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)