このレポートのまとめ

1.ジョンソン・エンド・ジョンソンは4月14日(火)寄付き前に決算発表する
2.ジェイピー・モルガン・チェースは4月14日(火)寄付き前に決算発表する
3.ウエルズ・ファーゴは4月14日(火)寄付き前に決算発表する
4.バンク・オブ・アメリカは4月15日(水)寄付き前に決算発表する
5.シティグループは4月15日(水)寄付き前に決算発表する
6.ゴールドマン・サックスは4月15日(水)寄付き前に決算発表する
7.モルガン・スタンレーは4月15日(水)寄付き前に決算発表する
8.ユナイテッドヘルス・グループは4月15日(水)寄付き前に決算発表する
9.アトラシアンは4月15日(水)引け後に決算発表する
10.インテューイティブ・サージカルは4月16日(木)引け後に決算発表する

 

■ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)

 
ジョンソン・エンド・ジョンソン(ティッカーシンボル:JNJ)は4月14日(火)寄付き前に決算発表します。

前回の2019年第4四半期決算は一株利益(EPS)こそ予想を上回りましたが、売上高は落胆すべき数字でした。以下ではさらに細かく売上高を分析します。

まず地域別売上高は:
米国 107.7億ドル(前年同期比+1.4%)
海外 99.7億ドル(前年同期比+2.1%)
でした。

部門別売上高は:
消費者 35.7億ドル(前年同期比+0.9%)
薬品 105.5億ドル(前年同期比+3.5%)
医療機器 66.3億ドル(前年同期比-0.5%)
でした。

2020年の一株利益(EPS)は予想9.09ドルに対し新ガイダンス$8.95~9.10が、売上高は予想855.2億ドルに対し新ガイダンス858~862億ドルが提示されました。

ジョンソン・エンド・ジョンソンは米国生物医学先端研究開発局(BARDA)とパートナーシップを組み10億ドルを投じて新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンを開発します。すでに候補は絞り込んであり9月に臨床試験を開始する予定です。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)日足チャート
出所:トレードステーション

■ジェイピー・モルガン・チェース(JPM)

 

ジェイピー・モルガン・チェース(ティッカーシンボル:JPM)の第1四半期決算は4月14日(火)寄付き前に発表されます。

同行の2019年第4四半期決算は一株利益(EPS)、売上高ともに予想を上回り、細かくその時の決算を分析すると純金利収入は前年同期比-1%の142億ドル、非金利収入は前年同期比+21%の141.7億ドルでした。

純利益は前年同期比+21%の85.2億ドル、純金利イールドは2.38%、前年同期は2.55%でした。貸倒引当金は14.3億ドルで、これは前年同期比-8%でした。

平均コア・ローンは9,037億ドル、平均預金は前年同期比+6%の1.56兆ドルでした。
ローン・ツー・デポジット・レシオは61%、前年同期は67%。オーバーヘッド・レシオは58%、前年同期は60%でした。

【消費者&コミュニティー・バンキング部門】
消費者&コミュニティー・バンキング部門売上高は前年同期比+3%の140.4億ドルで利益は前年同期比+21%の85.2億ドルでした。

クレジットカード・ローン残高は1,621億ドル、前年同期は1,506億ドル。クレジットカード・セールス・ボリュームは2,042億ドル、前年同期は1,853億ドルでした。
カード・ネット・チャージオフ比率は3.01%、前年同期は2.93%でした。

【コーポレート投資銀行部門】
コーポレート投資銀行部門売上高は94.7億ドルで前年同期比+31%となりました。利益は前年同期比+48%の29.3億ドルでした。

うち投資銀行フィー売上高は前年同期比+5%の19億ドル、トレーディング(principal transactions)は29.3億ドルと前年同期比+97%となりました。

市場インベスターサービス部門売上高は前年同期比+55%の61.4億ドルでした。内訳は債券部売上高が前年同期比+86%の34.5億ドル、株式部売上高が前年同期比+15%の15.1億ドルでした。

【今後のガイダンス】
2020年第1四半期の純金利収入は140億ドル前後、第1四半期の費用は170億ドル、実効税率は17%をそれぞれ見込んでいます。

【各種レシオ】
株主資本利益率(ROE)は14%、前年同期は12%でした。
総資産利益率(ROA)は1.22%、前年同期は1.06%でした。
有形自己資本利益率(ROTCE)は17%、前年同期は14%でした。
普通株式等ティアワン比率(CET1 capital ratio)は12.4%、前年同期は12.0%でした。
一株当たり有形簿価は60.98ドルで、前年同期は56.33ドルでした。

ジェイピー・モルガン・チェースは「新型コロナウイルスで経済がとても悪化した場合は配当を止めることも考える」と発表しました。同行は2月下旬から始まったマーケットの混乱の際、株式デリバティブ部門が15億ドルのトレーディング益を出しました。しかしその後株式デリバティブ部門で新型コロナウイルスの患者が発見され、いまはトレーディングルームのスタッフを分散させています。

同行は4月3日から始まったPPPという中小企業向け緊急融資プログラムの出だしで調整に手間取り、他行より貸付の開始が遅れました。

ジェイミー・ダイモンCEOは緊急入院、手術後、職場に復帰しています。

ジェイピー・モルガン・チェース(JPM)日足チャート
出所:トレードステーション

■ウエルズ・ファーゴ(WFC)

ウエルズ・ファーゴ(ティッカーシンボル:WFC)は4月14日(火)寄付き前に決算発表します。

同行の2019年第4四半期決算は一株利益(EPS)、売上高ともに予想を下回りました。
第4四半期をもう少し細かく見ると純利益は28.7億ドルでした。訴訟費用15億ドル(33セント)が純利益を押し下げました。前年同期の純利益は60.6億ドルでした。

デビットカードの購買ボリュームは+6%、クレジットカードの購買ボリュームは+4%でした。

純金利収入は-4.25億ドルの112億ドル、非金利収入は86.6億ドルで、前年同期は83.4億ドルでした。
純金利マージンは-13bpの2.53%で、非金利費用は156.1億ドル、前年同期は133.3億ドルでした。
エフィシェンシー・レシオは78.6%、前年同期は63.6%でした。
貸倒引当金は105億ドルで、損金計上額は7.69億ドルでした。前年同期は7.21億ドルでした。
損金計上比率は0.32%で、前年同期は0.30%でした。
支払い遅延ローン残高は56億ドルで、前年同期は70億ドルでした。
支払い遅延ローン比率は0.59%、前年同期は0.73%でした。
平均融資残高は9565億ドルで、これは第3四半期より68億ドル増えました。
住宅ローン・オリジネーションは、前年同期比+58%の600億ドルでした。
平均預金残高は1.32兆ドルで、前年同期は1.27兆ドルでした。平均預金コストは0.62%でした。前年同期は0.55%でした。

四半期配当は51セントで、前年同期は43セントでした。

【各種レシオ】
総資産利益率(ROA)は0.59%、前年同期は1.28%でした。
株主資本利益率(ROE)は5.91%、前年同期は12.89%でした。
有形自己資本利益率(ROTCE)は7.08%で、前年同期は15.39%でした。
普通株式等ティアワン比率(CET1 capital ratio)は11.1%、前年同期は11.7%でした。
一株当たり有形簿価は33.5ドル、前年同期は31.86ドルでした。
ウエルズ・ファーゴは住宅ローンに強い銀行として知られていますが同行はジャンボローンと呼ばれる大きなローンを今後絞り込んでゆく方針を発表しました。

ウエルズ・ファーゴ(WFC)日足チャート
出所:トレードステーション

■バンク・オブ・アメリカ(BAC)

 
バンク・オブ・アメリカ(ティッカーシンボル:BAC)は4月15日(水)寄付き前に決算発表します。

同行の2019年第4四半期決算は一株利益(EPS)が予想を上回り、売上高は予想にピッタリ一致しました。
もう少し詳細に第4四半期の決算結果を見ると純金利収入(FTEベース)は123億ドル、前年同期は127億ドル、前期は123億ドル。
純金利イールド(FTEベース)は2.35%、前年同期は2.52%、前期は2.41%でした。
貸倒引当金は9.41億ドル、前年同期は9.05億ドル、前期は7.79億ドルでした。
損金計上は9.59億ドル、前年同期は9.24億ドル、前期は8.11億ドルでした。
ネット・チャージオフ・レシオは0.39%で、前年同期は0.39%でした。前期は0.34%でした。
消費者部門損金計上は8.38億ドル、前年同期は8.04億ドル、前期は6.22億ドルでした。
消費者部門ネット・チャージオフ・レシオは0.72%、前年同期は0.71%、前期は0.55%でした。

平均融資残高は9,834億ドル、前年同期は9,469億ドル、前期は9,729億ドルという結果でした。
預金残高は1.43兆ドル、前年同期は1.38兆ドル、前期は1.39兆ドル。
エフィシェンシー・レシオは59%でした。前年同期は58%でした。

グローバル・マーケッツ部門セールス&トレーディング売上高は28.6億ドル、前年同期は25.4億ドル、前期は32.2億ドル。うち債券部売上高は前年同期比+25%の18.4億ドル、前年同期は14.7億ドルでした、前期は20.7億ドルでした。
株式部売上高は前年比-4%の10.2億ドル、前年同期は10.6億ドルでした。前期は11.5億ドルでした。

【各種レシオ】
株主資本利益率(ROE)は11.0%、前年同期は11.6%でした。
有形自己資本利益率(ROTCE)は15.4%、前年同期は16.3%でした。
普通株式等ティアワン比率(CET1 capital ratio)は11.2%でした。前年同期は11.6%でした。前期は11.4%でした。

総資産利益率(ROA)は1.13%、前年同期は1.24%でした。
一株当たり有形簿価は19.41ドル、前年同期は17.91ドルでした。

同行は他のメガバンクより積極的にPPPによるスモール・ビジネスへの貸付に動いています。

バンク・オブ・アメリカ(BAC)日足チャート
出所:トレードステーション

■シティグループ(C)

 
シティグループ(ティッカーシンボル:C)は4月15日(水)寄付き前に決算発表する予定です。同行の2019年第4四半期決算は一株利益(EPS)、売上高ともに予想を上回りました。

もう少し細かく第4四半期決算の発表結果を見るとグローバル・コンシュマー・バンキング(GCB)売上高は84.6 億ドルでした。これは前年同期比+5%でした。そのうち北米売上高は前年比+4%の52.5億ドル、南米は+10%の13.8億ドル、アジアは+4%の18.3億ドルでした。

インスティチューショナル・クライアント・グループ(ICG)売上高は93.8億ドルでした。これは前年同期比+10%でした。そのうち北米は+12%の33.1億ドル、欧州中東アフリカは+4%の27.4億ドル、南米は+9%の13億ドル、アジアは+15%の20.3億ドルでした。

債券部売上高は29億ドル、前年同期比+49%、債券引受けフィーは7.4億ドル、前年比+16%でした。
株式部売上高は5.2億ドル、前年同期比-23%、株式引受けフィーは2.4億ドル、前年同期比+33%でした。

M&Aアドバイザリーは3.7億ドル、前年同期比-19%でした。

シティグループ全体の営業費用は104.5億ドルでした。前年同期比+6%でした。
エフィシェンシー・レシオは57.8%でした。前年同期は56.9%でした。
純金利マージンは2.63%でした。前年同期は2.71%でした。
貸し倒れは19.4億ドルでした。これは前年同期比+9%でした。
純利益は5.0億ドルでした。これは前年同期比+15%でした。

【各種レシオ】
総資産利益率(ROA)は0.99%、前年同期は0.88%。
株主資本利益率(ROE)は10.6%、前年同期は9.0%でした。
有形自己資本利益率(ROTCE)は12.4%、前年同期は10.3%。
普通株式等ティアワン比率(CET1 capital ratio)は11.7%、前年同期は11.86%でした。
一株当たり有形簿価は70.39ドル、前年同期は63.79ドルでした。

シティグループ(C)日足チャート
出所:トレードステーション

■ゴールドマン・サックス(GS)

 
ゴールドマン・サックス(ティッカーシンボル:GS)は4月15日(水)寄付き前に決算発表する予定です。

同社の2019年第4四半期決算は一株利益(EPS)が予想を下回り、売上高は予想を上回りました。

もう少し細かく第4四半期の発表結果を振り返ると投資銀行部門売上高は前年同期比-6%の20.6億ドル、うちM&Aフィーは前年同期比-29%の8.55億ドルでした。

株式引受けフィーは前年同期比+23%の3.78億ドル。
債券引受けフィーは前年同期比+37%の6億ドルでした。

グローバル・マーケッツ(注:旧インスティチューショナル・クライアント・サービス部門)売上高は+33%の34.8億ドルでした。
債券部取次売上高は+83%の13.8億ドル、債券部ファイナンシングは+17%の3.87億ドルでした。
株式部取次売上高は+9%の9.8億ドル、株式ファイナンシングは+17%の7.32憶ドルでした。

営業費用は73億ドル、前年比+42%でした。(上記の訴訟費用に注意)
エフィシェンシー・レシオは年初来の累計で68.1%でした。
地域別では、米州売上高は63.1億ドル(全体の63%)、去年同期は51.8億ドルでした。

欧州中東アフリカは22.7億ドル(全体の23%)、去年同期は17.7億ドルでした。
アジアは13.8億ドル(全体の14%)、去年同期は11.4億ドルでした。

【各種レシオ】
株主資本利益率(ROE)は8.7%でした。
有形自己資本利益率(ROTCE)は9.2%でした。
普通株式等ティアワン比率(CET1 capital ratio)は13.3%でした。前年同期は13.3%でした。
一株当たり有形簿価は218.5ドルでした。

ゴールドマン・サックス(GS)日足チャート
出所:トレードステーション

■モルガン・スタンレー(MS)

 
モルガン・スタンレー(ティッカーシンボル:MS)は4月15日(水)寄付き前に決算発表します。
同社の第4四半期決算は一株利益(EPS)、売上高とも予想を上回りました。

もう少し詳細に第4四半期の内容を振り返るとインスティチューショナル・セキュリティーズ部門の売上高は50.5億ドル、前年同期は38.4億ドルでした。
内訳としてインベストメント・バンキング売上高は15.8億ドル、前年同期は14.2億ドルでした。

そのうちM&Aアドバイザリーは6.54億ドル、前年同期は7.34億ドルでした。
株式引受けフィーは4.22億ドル、前年同期は3.23億ドルでした。
債券引受けフィーは5.0億ドル、前年同期は3.6億ドルでした。

セールス&トレーディング売上高は31.9億ドル、前年同期は24.8億ドルでした。
そのうち株式部売上高は19.2億ドル、前年同期は19.3億ドルでした。
債券部売上高は12.7億ドル、前年同期は5.6億ドルでした。

ウエルス・マネージメント部門売上高は45.8億ドル、前年同期は41.4億ドルでした。
インベストメント・マネージメント部門売上高は13.6億ドル、前年同期は6.8億ドル。
コンペンセーション対売上高比率は48%、前年同期は44%、前期は44%。
エフィシェンシー・レシオは75%、前年同期は78%、前期は73%でした。

【各種レシオ】
株主資本利益率(ROE)は11.3%、前年同期は7.7%、前期は11.2%でした。
有形自己資本利益率(ROTCE)は13.0%、前年同期は8.8%、前期は12.9%でした。
普通株式等ティアワン比率(CET1 capital ratio)は16.5%、前年同期は16.9%でした。
一株当たり有形簿価は40.01ドル、前年同期は36.99ドルでした。

モルガン・スタンレー(MS)日足チャート
出所:トレードステーション

■ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)

 
ユナイテッドヘルス・グループ(ティッカーシンボル:UNH)は4月15日(水)寄付き前に決算発表します。

同社の2019年第4四半期決算は一株利益(EPS)こそ予想を上回ったものの売上高は予想に届きませんでした。
もう少し詳細に見ると2019年通年のメディカルケアレシオは82.5%でした。2018年は81.6%でした。

2020年度の一株利益(EPS)は予想16.45ドルに対し新ガイダンス16.25~16.55ドルが提示されました。

ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)日足チャート
出所:トレードステーション

■アトラシアン(TEAM)

 
アトラシアン(ティッカーシンボル:TEAM)は4月15日(水)引け後に決算発表します。

同社の2019年第2四半期(12月期)決算は一株利益(EPS)、売上高ともに予想を上回りました。
なお第2四半期決算がとりわけ良かった理由としてデータセンター向けサービスの値上げが発表されたことに伴い、「需要の先食い」、すなわちプル・フォワード効果が見られました。
その関係で、第3四半期のガイダンスは下に見るように一株利益(EPS)が少しコンセンサス予想より小さくなっています。

値上げによりプル・フォワード効果が起こる一因としてアトラシアンのマーケティング・パートナー企業たちの営業活動の在り方が関係していることを指摘すべきだと思います。

すなわち、データセンター向けサービスを購入する顧客は大口顧客である場合が多く、マーケティング・パートナー企業たちもその商機に向けてセールスの追い込みをする傾向があり、値上げが発表されると、駆け込みの成約が増えるというわけです。

今回は欧州やアジアのマーケティング・パートナー企業での成約が顕著でした。

第3四半期の一株利益(EPS)は予想22セントに対し新ガイダンス20セントが、売上高予想3.97億ドルに対し新ガイダンス3.95~3.99億ドルが提示されました。

2020年の一株利益(EPS)は予想1.02ドルに対し新ガイダンス1.03~1.09ドルが、売上高予想15.5億ドルに対し新ガイダンス15.9~16億ドルが提示されました。

アトラシアン(TEAM)日足チャート
出所:トレードステーション

■インテューイティブ・サージカル(ISRG)

インテューイティブ・サージカル(ティッカーシンボル:ISRG)は4月16日(木)引け後に決算発表します。

同社の第4四半期決算は一株利益(EPS)、売上高ともに予想を上回りました。
ダビンチ処方成長率は+19%でした。ダビンチ出荷台数は+16%の336でした。現在のインストールベースは前年同期比+12%の5,582です。

インテューイティブ・サージカル(ISRG)日足チャート
出所:トレードステーション