【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 23,433.57  △779.71 (4/8)
NASDAQ: 8,090.90  △203.64 (4/8)

1.概況

米国市場は新型コロナウイルスの感染拡大が近く峠を越えるとの見方から大幅反発となりました。239ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に29ドル高まで弱含む場面もありましたがマイナスに転じることなく下げ渋ると上げ幅を広げ昼過ぎに650ドル高程度まで上昇しました。その後一旦上値が伸び悩んだダウ平均ですが取引終盤に一段高になると引け間際には859ドル高まで買われました。結局ダウ平均は779ドル高の23,433ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も203ポイント高の8,090ポイントとなり節目の8,000ポイントを回復しています。

2.経済指標等

3月開催の緊急の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では新型コロナウイルスのまん延で米経済の下振れリスクが大幅に高まったと判断していたことが分かりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも不動産が7%を超える上昇となったほか、エネルギーも6%以上上げています。また、公益事業と素材も5%以上上昇しています

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はウォルト・ディズニー(DIS)とウォルマート(WMT)を除く28銘柄が上げました。そのなかでもレイセオン・テクノロジーズ(RTX)が8%以上上げたほか、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とダウ(DOW)も8%近く上昇しています。また、ゴールドマン・サックス(GS)に加え、原油価格の上昇を受けてエクソンモービル(XOM)とシェブロン(CVX)も6%を上回る上昇となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が自社配送を6月に停止すると伝わったことで物流大手のフェデックス(FDX)やUPS(UPS)が買われ、フェデックスが8%以上、UPSが6%以上上げています。画像検索・共有サービスのピンタレスト(PINS)は決算の速報値で売上高や利用者数が市場予想を上回ったことで急伸し12%近く上昇しました。ツイッター(TWTR)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて9%近く上げています。 

5.為替・金利等

長期金利は0.06%高い0.77%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

日経平均が昨日までの4日間で1,500円以上上げていることもあって本日の日本市場は売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか朝方の売り一巡後に下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)