東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国で重要な経済指標の発表を控え警戒感が強いなかほぼ横ばいとなりました。米国株高を受けて132円高でスタートした日経平均は取引開始後10分余りで240円高まで買われ節目の18,000円を回復しましたが、18,000円を小幅に上回ったところで上値が押さえられると9時半過ぎから上げ幅を縮め前場は54円高の17,873円で取引を終えました。29円高で後場の取引をスタートした日経平均は後場寄り直後にマイナスに転じると下げ幅を広げ14時30分過ぎに172円安まで下落しました。しかし、引けにかけて下げ幅を縮めるとプラスに転じ結局1円高の17,820円とほぼ横ばいで取引を終えています。

一方でTOPIXが小幅に5日続落となったほか、新興市場も軟調で東証マザーズ指数が3日続落、日経ジャスダック平均が5日続落となっています。

2.個別銘柄等

原油価格の大幅上昇を受けて昨日の米国市場でシェブロン(CVX)やエクソンモービル(XOM)が大幅高となるなか日本市場でも石油関連株が買われました。資源開発大手の国際石油開発帝石(1605)が2.6%高となったほか、石油元売り大手の出光興産(5019)も1.5%高、JXTGホールディングス(5020)も0.9%高としっかりでした。また、新型コロナウイルス絡みでは、デンカ(4061)が新型コロナウイルスの治療薬として期待されている抗インフルエンザ薬「アビガン」の原料の生産を始めると発表したことで24%上昇しストップ高となりました。

一方でキユーピー(2809)が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛の広がりで国内と中国の業務用商品の販売が大幅に減少する見通しから2020年11月期の業績予想を下方修正したことで9.4%安となりました。また、鳥貴族(3193)が新型コロナウイルスの感染拡大の防止のため直営394店舗を臨時休業すると発表したことで14.9%安となり、同じく串カツ田中ホールディングス(3547)も直営店全店の116店舗を臨時休業すると発表したことで9.8%安となりました。国内全103店舗を臨時休業するとしたラウンドワン(4680)も11.7%安となっています。

そのほか材料が出たところでは、東芝(6502)が東証1部への復帰を申請すると伝わったことで3.2%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国市場が原油高を受けて大きく上昇したことを受けて三桁の上昇で始まったものの失速すると結局ほぼ横ばいとなってしまいました。上値の重さを改めて印象付ける展開で、そのため二番底を探る展開との見方も一段と増えてきそうです。こうしたなか今晩の米国では米雇用統計や米ISM非製造業景況感指数が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)