【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 20,943.51  ▼973.65 (4/1)
NASDAQ: 7,360.58  ▼339.52 (4/1)

1.概況

米国市場はトランプ米大統領が新型コロナウイルスの感染拡大についてとても厳しい2週間に向かうと発言したことなどを受けて急落となりました。689ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に429ドル安まで持ち直す場面もありましたが、午後に入って大きく下げ幅を広げる展開となりました。引け間際に1,132ドル安まで売られたダウ平均は結局973ドル安の20,943ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も339ポイント安の7,360ポイントとなりました。

2.経済指標等

3月のADP全米雇用リポートで民間部門の雇用者数は2万7000人減に止まり市場予想ほど悪化しませんでした。また、3月の米ISM製造業景況感指数は49.1と好不況の境目となる50を3カ月ぶりに下回ったものの市場予想を上回りました。一方で2月の米建設支出は年率換算で前月比1.3%減となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも公益事業と不動産が6%以上下落したほか、金融も6%近く下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はウォルマート(WMT)を除く29銘柄が下げました。そのなかでもボーイング(BA)が12%を超える下落となったほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)も9%余り下げました。また、ダウ(DOW)が7%以上、JPモルガン・チェース(JPM)とゴールドマン・サックス(GS)も6%以上下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、パソコン・プリンター大手のHP(HPQ)が事務機のゼロックス(XRX)への買収提案を取り下げると伝わったことで急落し14%を上回る下げとなりました。ゼロックスも7%余り下げています。さらに通信大手のAT&T(T)が投資判断の引き下げを受けて4%近く下げました。一方で新型コロナウイルスの感染拡大を受けて日用品を買いだめする消費者が増え3月の既存店売上高が前年同月比3割増となったことでスーパー大手のクローガー(KR)が1%を超える上昇となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.09%低い0.58%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が急落となったことから大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の17,500円を試すような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)