東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は882円安の1万8664円と4日ぶりの大幅反落となりました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども総じて下落しました。日経平均は4.5%安、マザーズ指数は4.2%安とそれぞれ大きく下落しています。前日の大幅高の反動や東京都が外出自粛の要請を出したことを受けて、日経平均は311円安の1万9234円と反落して寄り付きました。寄り付きがほぼ高値となり早々に1万9000円を割り込んだ日経平均は、10時半前に903円安まで下落してその時点の安値をつけると、その後は下げ幅を縮めて743円安の1万8803円で前場を終えました。後場に入ってからもじりじりと下げ幅を縮めた日経平均でしたが、14時頃から再び下げ幅を広げて引け間際に1,033円安まで下落して1日の安値をつけると、やや持ち直して結局882円安の1万8664円で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆3049億円でした。
東証33業種はパルプ・紙や水産・農林業、保険業、電気・ガス業を除く29業種が下落しました。鉄鋼が7.8%下落したほか、海運業や不動産業、鉱業などが大幅に下落しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が9.4%下落したほか、ファーストリテイリング(9983)やトヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)、キーエンス(6861)、東京エレクトロン(8035)、オリエンタルランド(4661)、村田製作所(6981)が下落しました。一方で、任天堂(7974)は0.2%上昇して逆行高となりました。
材料が出たところでは、ウェブ会議システムを手掛けるブイキューブ(3681)が一時ストップ高となり終値でも16.9%上昇しました。25日に東京都が発表した外出自粛要請を受けて、テレワーク推進に伴う同社システムの需要増加を期待した買いが入りました。また、東京都の新型コロナウイルスの感染者急増を受けて空気清浄システムを手掛ける日本エアーテック(6291)が14.6%上昇したほか、抗ウイルス加工マスクを製造するシキボウ(3109)が8.8%上昇しました。その他、欧米で新型肺炎の重症患者に使用される人工呼吸器の不足が懸念されていることを受けて、国内で人工肺を生産するニプロ(8086)に同社製品の需要増加を期待した思惑買いが入り9.4%高で取引を終えています。
VIEW POINT: 明日への視点
昨日までの楽観ムードから一転、日本市場は大幅安となりました。日本は諸外国に比べると新型肺炎の感染者数をおさえこんできましたが、ここへきて東京都を中心に感染者が増加してきていることから楽観は禁物だとのムードが広がったとみられます。引き続き荒っぽい相場が続く可能性が非常に高いため、安易にリスクを取りすぎないよう気をつけることが重要な局面だと考えます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)