波乱の3月相場にようやく変化の兆し

波乱の3月相場となっていますが、ようやく変化の兆しが見え始めているようです。早速、窓を確認しながら日足チャートを見て、日経平均株価の動向を確認したいと思います。まずは、前回指摘したことをもう一度思い出してみましょう。

前回は、考えられる下げ止まりの目途として「2016年に英国の国民投票でEUからの離脱派が勝利し、日経平均が安値をつけた場面までさかのぼりますと、同年7月11日と12日のあいだの16,000円を割り込んだところに窓が1つ空いているのが分かります」としました。

また、「一方で、この窓を埋める前に同年11月のトランプ米大統領が誕生した際の安値16,111円が下げ止まりの目途になるのではないかと思われます」とも指摘しました。

さらに「今後も下落が続いた場合ですが、下向きの5日移動平均線を上回ることができずに下落が続くようですと、これらの節目に到達したり、窓を埋めたりすることも視野に入ってくると考えられますので、注意したいところです」とも言及しましたが、果たして結果は…。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

3月24日の1,204円高で5日移動平均線が上向きに

前週は、指摘したように下向きの5日移動平均線が上値の抵抗になると、じわじわと安値更新する展開となり、3月19日の取引時間中には16,358円まで下落する場面がありました。

一方、今週に入ってから、3月23日に終値で5日移動平均線を上回ると、3月24日には新たに窓をあけて1,204円高(過去歴代9位の上昇幅)となって大陽線を形成すると同時に、5日移動平均線が上向きに変化しているのが分かります。

このようにしてみると、前回、安値の目途として指摘した2016年11月9日の安値には届かなかったものの、5日移動平均線を上回ると同時に5日移動平均線が上向きに変化してきていますので、一旦底入れしたと考えられるのではないでしょうか。

ただ注意したいのは、今回の反発でも3月23日と24日のあいだに窓をあけていることです。したがって、戻りが止まったり、5日移動平均線を下回ったりしますと、この窓を埋めに株価が反落することが考えられますので、反落したときは要注意です。

一方で5日移動平均線に沿って反発が続くようですと、3月11日から13日のあいだにあけた2つの窓を埋めたり、下向きの25日移動平均線に接近したりすることが視野に入るのではないかと思われます。

25日移動平均線を終値で突破できればさらなる反発も期待

いよいよ反発に動き出したとみられる日経平均株価ですが、反発が続くかどうかのカギを握っているのは、引き続き5日移動平均線上を維持できるかになると思われます。
なぜなら、上昇している5日移動平均線上を維持できれば、3月上旬に発生した窓を埋めることにつながると考えられるからです。

また、5日移動平均線上を維持して25日移動平均線を終値で突破できれば、さらなる反発も期待できるのではないかと思われます。引き続きトレンドの窓埋めに注意しながら売買判断を行うようにしたいところです。