空売り規制厳格適用の発表で一時1,000円を超える上げ幅に

週明け3月23日の日経平均は334円高と3日ぶりの上昇。3月24日も1,000円を超える上げ幅となりました。最近は変動率が高くなっているため、驚くほどの値幅ではないですが。

麻生太郎財務・金融相が3月24日の閣議後会見で金融市場の動揺が続いていることを受け、株式の空売り規制を厳格に適用すると発表したことが大きいと思います。

資金供給や経済対策など、いろんなアナウンスでも効果がなかった株式市場ですが、ようやく直接的に株価に影響する対策が発表されたことは大きい、と思われます。

ソフトバンクG、最大4.5兆円資産売却でストップ高

先週はTOPIXが主導するかたちで買いが入る場面がありましたが、NT倍率(日経平均株価÷TOPIX)の極端な低下を招く結果となりました。

トヨタ自動車やソニー、JRなどに買いが続いた反面、日経平均採用銘柄では指数寄与度が高いファーストリテイリングやソフトバンクグループ(以下、ソフトバンクG)などが売られる対照的な展開でした。TOPIXベースで売買するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や日銀のETF買いに便乗したヘッジファンドなどの短期筋の動きもあったのでしょう。

しかし、今週は逆のパターン。早速、きっかけになったのは、3月23日の後場にストップ高となったソフトバンクGの動き。取引時間中に自己株取得と負債削減のために最大4.5兆円の保有資産の売却および資金化を決定しました。ここまで自社株が売られると放置できない、そんなムードが全体に広がれば需給改善効果につながります。

自社株買いは株安局面で今後起きうるアクション

日本企業には潤沢な資金があるし、自社株買いは株安局面で今後起きうるアクションですね。昨今の先行き不透明な状況では設備投資といった先行投資よりも、自社株買いに資金を使うケースが増えてくる可能性が高いと思われます。

TOPIX100採用だけに絞り、昨年10月~11月に自社株買いを発表した、キャッシュリッチでPBRが1.0倍を割り込んでいる銘柄でいくと、三井物産やホンダなどが挙げられます。

一方、3月13日付けで発行された三菱UFJモルガンスタンレー証券の「株安時の自社株買い」レポートでは、過去株価が20%以上下落した後に自社株買いを発表した銘柄が掲載されていました。ご参考までにお伝えいたしますと、こちらではアンリツ、ユニ・チャーム、ファナック、日東電工、カシオ計算機などが主力どころとして取り上げられておりました。