【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 23,185.62 △1,985.00 (3/13)
NASDAQ: 7,874.88 △673.07 (3/13)
1.概況
先週末の米国市場はトランプ米大統領が非常事態を宣言したことで米政府の新型コロナ対策が本格的に進むとの期待から急反発となりました。前日に急落した反動もあって773ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に84ドル高まで弱含む場面もありましたが、その後も堅調に推移するとトランプ米大統領による非常事態宣言を受けて引けにかけて急速に上げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は1,985ドル高の23,185ドルとほぼ高値引けで取引を終えています。ダウ平均の上げ幅は2日の1,293ドルを上回って過去最大となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も673ポイント高の7,874ポイントとなっています。
2.経済指標等
3月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は95.9と前月から低下したものの市場予想を上回りました。2月の米輸入物価指数も前月比0.5%低下に止まり市場予想を上回りました。一方で米輸出物価指数は前月比1.1%低下し市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも金融が13%を超える上昇となったほか、情報技術も12%近く上げました。また、コミュニケーション・サービスも9%余り上げたうえ、エネルギーと不動産、生活必需品も8%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが上げました。そのなかでもインテル(INTC)とアメリカン・エキスプレス(AXP)が19%以上上昇したほか、JPモルガン・チェース(JPM)も18%高となりました。また、ゴールドマンサックス(GS)も17%を超える上昇となっています。さらにマイクロソフト(MSFT)が14%以上、シスコシステムズ(CSCO)も13%以上上げています。ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)も12%を超える上昇となり、アップル(AAPL)とウォルト・ディズニー(DIS)も11%以上上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、ビジネス対話アプリのスラック・テクノロジーズ(WORK)が通期の売上高見通しが市場予想を下回ったことで8%余り下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.14%高い0.96%となりました。ドル円は106円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
日本時間の早朝にFRBが緊急利下げを行いゼロ金利政策の導入と量的緩和の再開を決めたものの米国市場で株価先物が大きく下げていることから本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は米国市場の株価先物やドル円の動向をにらみながらとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)