或る報道によると、中国で28年前にあった未解決殺人事件について、今さら犯人が逮捕されたとのこと。新型コロナウイルスの感染者識別に行われるPCR検査で個々人のDNAを採取し、それを未解決事件犯人のDNAと照合する作業を、当局は密かにやっていたという驚きの内容で、その中で犯人と似たDNAの検体を発見し、その人の親戚を調べて絞り込んでいくことで、犯人に辿り着いたとのこと。犯人が捕まったことはいいことですが、背筋が凍るような恐ろしさも感じるニュースです。
日本ではこれは憲法の定める適正手続きの保障に反することだし、日本の警察等は流石にやらないと思うのですが、彼の国では新型コロナウイルス騒動に乗じて、国民の遺伝子情報を集めていたようなのです。一報道なので、真偽の程は定かではありません。遺伝子情報は、人口の1.5%程度のサンプルがあれば、或る特定のDNAの持ち主を、そのDNAと似た配列のDNAをサンプルから探し、そこから逆算的に親戚関係から絞り込んでいき、最終的に特定することが出来ると云われています。
日本は国民のゲノム情報収集がとっても少ない国です。それは医療の観点からは”遅れ”を意味しますが、人権等の観点からは、大変難しい論点が多くあると思われます。ポリスの歌った"Every Breath You Take"は、"I'll be watching you."などと歌うので、結婚式などでも歌われるようですが、スティング自身は、超管理社会を歌ったものだとインタビューで答えています。この歌のリリースは1983年。映画ブレードランナーの公開は1982年。今から40年近く前から、クリエイターは現代の問題をイメージ出来ていました。
これらのことが現実になってきている今、どうやってそれらの問題を”人間”の問題として正確に捉えて、より良い社会に繋げていくか、もっと多くの人が真剣に考えねばならないテーマだと、この報道を見て再度思いました。さて、ようやく週末が来ます。長い一週間だった。そして色々な意味で疲弊する一週間でした。今週末はゆっくりしたいですね!