【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26121.28 ▼969.58 (3/5)
NASDAQ: 8738.60 ▼279.49 (3/5)
1.概況
米国市場は米国内での新型コロナウイルスの感染拡大を嫌気して急落となりました。418ドル安でスタートしたダウ平均は830ドル安程度まで下げ幅を広げたあと昼前に一旦450ドル安程度まで持ち直す場面もありましたが、午後に入って再び売られると取引終盤には一時1,147ドル安まで下落しました。結局ダウ平均は969ドル安の26,121ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も279ポイント安の8,738ポイントとなりました。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3000件減の21万6000件となりましたが市場予想ほど改善しませんでした。また、2019年10-12月期の米労働生産性指数改定値は年率換算で1.2%上昇に止まり市場予想を下回りました。1月の米製造業受注も前月比0.5%減となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも資本財・サービスと金融が5%近く下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)を除く29銘柄が下げました。そのなかでもユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が9%余り下げたほか、ボーイング(BA)も8%安となっています。また、JPモルガン・チェース(JPM)とゴールドマン・サックス(GS)も5%近く下げました。
ダウ平均構成銘柄以外ではクルーズ船大手のカーニバル(CCL)が急落しました。新型コロナウイスルの感染者がカーニバルのクルーズ船に乗船していたことが判明し検査を受けることになったことが嫌気されました。他のクルーズ船大手にも売りが波及し、ロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)が17%余り下げたうえ、ノルウェージャン・クルーズ・ライン・ホールディングス(NCLH)も13%以上下落しています。空運株も売られアメリカン航空グループ(AAL)とユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が13%以上、デルタ航空(DAL)が7%以上下げています。一方で新型コロナウイルスの感染拡大を受けてビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)が7%高となりました。決算で1株利益が市場予想を上回ったスーパーのクローガー(KR)も8%余り上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.14%低い0.91%となりました。一時は0.89%を付け過去最低を更新する場面もありました。ドル円は大きく円高が進み106円10銭台で推移しています。一時は105円台を付ける場面もありました。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安と円高を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の21,000円を割り込みそうですが、PBRが1倍程度となる20,800円近辺で押し目を拾う動きが本日もみられるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)