【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25917.41  ▼785.91 (3/3)
NASDAQ: 8684.09  ▼268.08 (3/3)

1.概況

米国市場は材料出尽くしの売りに押され大幅反落となりました。59ドル高でスタートしたダウ平均は米連邦準備理事会(FRB)が緊急の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き政策金利を0.50%引き下げると発表すると381ドル高まで買われましたが、パウエル議長が記者会見で中央銀行による対応の限界を認めると前日に利下げを織り込んで急騰していたこともあって下げ幅を大きく広げる展開となりました。一時は1,000ドル安近くまで売られたダウ平均はその後持ち直したものの結局785ドル安の25,917ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も268ポイント安の8,684ポイントとなっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも情報技術と金融、コミュニケーション・サービス、エネルギーが3%を超える下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はコカ・コーラ(KO)を除く29銘柄が下げました。そのなかでもアメリカン・エキスプレス(AXP)とスリーエム(MMM)が5%余り下落したほか、マイクロソフト(MSFT)とエクソンモービル(XOM)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、IBM(IBM)も4%以上の下げとなっています。また、新型肺炎の影響で1-3月期の売上高の見通しを引き下げたビザ(V)も3%を超える下落となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、ハイアット・ホテルズ(H)が新型肺炎の影響で2020年の利益予想を取り下げると発表したことで3%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は緊急利下げを受け0.16%低い1.00%となりました。一時は0.90%を付けて初めて1%を下回る場面もありました。こうしたなかドル円は円高に振れ107円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安と円高を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の21,000円を割り込みそうでドル円の動向などをにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)