東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は45円安の2万3827円と4日ぶりに反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども下落しました。前日の米国市場が上昇したことを受けて、日経平均は25円高の2万3899円と小幅に続伸して寄り付きました。買い一巡後に下落に転じた日経平均は10時前に114円安まで下げ幅を広げて安値をつけると、その後じりじりと持ち直し18円安の2万3855円で前場を終えました。後場に入るとやや下げ幅を広げた日経平均は、小幅なマイナス圏でのもみ合いとなり結局45円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆3996億円となりました。

東証33業種は情報・通信業や医薬品、不動産業などの6業種のみが上昇しました。一方でその他製品や繊維製品、空運業などの27業種が下げています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)、オリンパス(7733)、武田薬品(4502)は上昇しました。ソフトバンクグループは物言う株主として知られるエリオット・マネジメントがソフトバンクグループの株式を保有していると報じられたことが材料視され7.1%の大幅高となりました。また、第3四半期決算が好調で今期の業績予想を上方修正したオリンパスも10%近い大幅高で上場来高値を更新しました。一方で任天堂(7974)、ソニー(6758)、トヨタ自動車(7203)、東京エレクトロン(8035)、ファーストリテイリング(9983)、村田製作所(6981)は下落しました。資生堂(4911)は横ばいでした。

その他材料が出たところでは、新型コロナウイルスの検査試薬を大幅増産すると伝わったタカラバイオ(4974)が11%高と大きく上昇しました。また、技術者派遣のアルプス技研(4641)も14%超の大幅高となりました。前期決算が従来の業績予想を大きく上振れて着地し、今期予想も増収増益としたことが好感されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は、連日の上昇の反動などで小幅に下落しました。週末ということや米雇用統計の発表を控えていることもあり持ち高調整や利益確定の売りが出やすかったようです。本日日本時間22時半に米雇用統計が発表されます。先行指標のADP雇用統計が好調だったこともあり堅調な内容が予想されています。来週も引き続きマーケットの注目は新型コロナウイルスの拡散状況や治療法の発見などになりそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)