【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 28859.44 △124.99 (1/30)
NASDAQ: 9298.93 △23.77 (1/30)
1.概況
米国市場はWHOの緊急事態宣言後に買い戻しが入り上昇しました。新型肺炎拡大への懸念から94ドル安でスタートしたダウ平均は244ドル安まで売られた後も軟調な推移が続きましたが、世界保健機関(WHO)が新型肺炎について緊急事態を宣言したものの中国との取引や渡航の制限勧告を見合わせたことなどから買い戻しが入り取引終盤にプラスに転じました。結局ダウ平均は124ドル高の28,859ドルで取引を終え3日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も23ポイント高の9,298ポイントとなりこちらも3日続伸となりました。
2.経済指標等
2019年10-12月期の米実質GDP速報値は年率換算で前期比2.1%増となり市場予想と一致しました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比7000件減の21万6000件となりましたが市場予想ほど改善しませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、金融と生活必需品が1%を超える上昇となりました。一方でコミュニケーション・サービスやヘルスケアなどの4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
コカ・コーラ(KO)が決算で売上高が市場予想を上回ったことで3%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。決算が市場予想を上回る増収増益となったマイクロソフト(MSFT)も3%近く上げ、ダウ平均構成銘柄でコカ・コーラに次ぐ上昇率となり上場来高値を更新しています。また、電気自動車のテスラ(TSLA)が市場予想を上回る販売見通しが好感され10%高となり上場来高値を付けたほか、半導体製造装置のラムリサーチ(LRCX)も市場予想を上回る売上高の見通しを受けて目標株価の引き上げが相次いだことから4%を上回る上昇となり上場来高値を更新しています。さらに取引終了後に決算を発表したアマゾン・ドット・コム(AMZN)は売上高が市場予想を上回ったことから時間外で急伸しています。
一方でフェイスブック(FB)が6%以上下げました。決算は市場予想を上回ったものの、個人情報保護に向けた費用増で収益悪化が続くとの見方から売られました。物流大手のUPS(UPS)も通期の利益見通しが市場予想を下回ったことで6%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの1.58%となりました。ドル円は108円90銭台で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の23,000円を回復して昨日の下げをどれだけ取り戻せるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)