新たな窓が2つ発生、埋まっていない窓が増える

日経平均のチャートに新たな窓が2つ発生しました。株式市場の波乱がなくならないと同時に、埋まっていない窓の数が増える傾向にあると言えそうです。

では前回のコラムで指摘したことの確認からです。

前回は、「今後のトレンドの判断にとても重要な役割を果たすと考えられるのが、1月8日と9日のあいだに発生し、25日移動平均線の下にある窓を埋めるかどうかなのです」「仮にこの窓を埋めた場合、上向きの25日移動平均線を下回ることになってしまうと同時に、25日移動平均線上を回復できなかった時のトレンド転換が警戒されることになります。つまり今年前半の株価の行方を左右する重要な分岐点と言うことができるのです」としました。果たして結果は…。

【図表1】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

25日移動平均線を割り込むも1月8日と9日の窓は埋まらず

上記のチャートを見ると分かりますが、結局25日移動平均線上を維持できずに下落すると、今回も2日連続で窓をあけて終えているのが分かります。また25日移動平均線上でしばらくもち合っていましたが、もち合いの時間が長かったこともあって下落の勢いが強まったのではないかと考えられます。

さらに、25日移動平均線だけではなく、上向きの75日移動平均線も下回って終えていますが、1月8日と9日のあいだにあけた窓を埋めることができていません。なぜなら、1月24日と27日のあいだにあけた窓の値幅が大きすぎて、1月8日と9日のあいだにあけた窓を埋めることなく下方向に通り過ぎてしまっているのです。

そのため、1月28日の終値を基準にすると、この終値の上と下の両方に窓があいたままとなっており、今後、上下にあいたこれらの窓のどちらを埋めに行くのかが短期的なトレンドを探るヒントになるのではないかと思われます。

75日移動平均線上を回復できなければトレンド転換の可能性

そうしたなか移動平均線の向きを見ますと、75日移動平均線が上向きを続けていることから、先ずは1月27日と28日にあけた窓を埋める可能性が高いのではないかと考えられます。

これは、75日移動平均線が上向きであることに加え、75日移動平均線のすぐ上に窓があいていることから、売り込みにくいことに加え、少し反発しただけで窓を埋める可能性が高まると考えられるからです。

一方で、75日移動平均線は上向きですが、すぐに75日移動平均線上を回復できずに時間が経過するようですと、75日移動平均線の向きも上向きから横ばいに変化するでしょう。それと同時に、上値の重たさが嫌気されて、昨年10月15日と16日にあけた窓を埋めることも視野に入ると考えられ、トレンドの転換に警戒が必要になるのではないかと思われます。

いずれにしても、上向きの75日移動平均線という重要なサポートを割り込んだまま上回ることができない状態が続いたり、下落が続いたりするのか、上下にあるどちらの窓を埋めるのかに注目し、トレンドを探る判断に役立てるようにしたいところです。