今年の大発会は大波乱、新たに重要な窓が発生する

明けましておめでとうございます。昨年は窓について解説してきましたが、それまでずっと埋めることができずにいた2018年10月にあけた窓を、年末にようやく1年2ヶ月ぶりに埋める結果となりました。

そこで、窓についての解説に一旦区切りをつけようと考えていたのですが、2020年の大発会(だいはっかい)が波乱のスタートになったことに加え、再び重要な窓が発生してしまっています。そのため、もう少し窓について解説していきたいと思いますので、今年もどうぞよろしくお願いします。

【図表1】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

図表1は、2019年1月の大発会から2020年1月7日までを表示したチャートです。前述のように2020年の最初の取引となる1月6日の大発会で大きな窓をあけて下落して始まり、翌1月7日は大きく反発したものの、大発会にあけた窓を埋めるところまで上昇することができませんでした。

そのため、2019年12月12日と13日にあけた窓も埋めることができていないことが分かります。一方で2019年12月4日と5日のあいだにあけた窓は大発会の下落で埋めており、いわゆる「窓埋め」で一旦下げ止まったと考えることができそうです。

埋まっていない窓がたくさんある

そこでチャート全体を俯瞰してみると、あることに気づくのではないかと思います。それは、1月7日現在の株価水準より下に「埋まっていない窓がたくさんある」ということです。

これまで窓が発生すると窓の種類を確認すると同時に、その種類から今後起こりそうな値動きを予測してきました。また、移動平均線の向きや移動平均線と株価の位置関係などにも注目して判断してきました。

そうしたなか、大発会に発生した窓について考えてみましょう。この窓は、過去の値幅の範囲内で発生していることからコモンギャップではないかと思われますが、仮にこのまま窓を埋めることができなかったり、25日移動平均線や5日移動平均線上を回復できなかったりするようですと、下降トレンドが発生することが考えられるほか、たくさんあいたままになっている窓を埋めることも視野に入ってくるのではないかと考えられるのです。

なぜなら、「埋めない窓はない」、言い換えれば「コモンギャップは埋める可能性が高い」というのが、過去の経験則だからです。

下降トレンドに変化したあとの安易な押し目買いは控えたい

にわかに信じがたいことですが、きっかけはどうであれ、仮に2018年10月の高値を超えることができないまま下降トレンドに転換してしまった場合、株価がレンジ内での下限(=2019年1月の窓付近)方向に動き出し、短期的にはあいたままになっている窓(=すべてコモンギャップ)を埋めることが考えられます。

そのため、下降トレンドに変化したあとの安易な押し目買いは控える必要があるのではないかということになるのです。

まだはっきりと下降トレンドに転換したわけではありませんが、大発会に発生した窓を埋めることができずに下降トレンドに転換した場合や、窓を埋めても下降トレンドに転換してしまった場合、安易な押し目買いは控え、慎重に対応する必要があるというのを、埋まっていない窓が教えてくれているのではないかと考えられます。今年も窓について解説が引き続き必要ではないかと感じた次第です。

そのため、2018年10月の高値を更新して上昇トレンドが確認されるまでは、引き続き窓について解説していきますのでお付き合いください。